コピイストたるブラームス
ブラームス自身がルネサンスやバロックの作品を写譜している。立身出世を遂げてからは、興味の対象は古楽譜の収集に移行するのだが、若いころは熱心に写譜している。それをクララやヨアヒムに贈り、贈られた2人が律儀に保存していたという寸法だ。
ブラームスの写譜の対象になった作曲家をアルファベット順に列挙し、生年を添える。
- Arthopius,Balthasar 1535
- Attaingnant,Pierre ?
- Bach,Wilhelm Friedeman 1710
- Calvisius,Sethus 1556
- Crueger,Johannes 1598
- Eccard,Johannes 1553
- Erythraeus,Gotthard 1560
- Gesius,Nartholomaeus 1560
- Hassler,Hans Leo 1564
- Ingegneri,Marc'Antonio 1545
- Isaac,Heinrich 1450
- Lotti,Antonio 1667
- Luther,Martin 1483 宗教改革のルター。
- Palestrina,Giovanni Pierluigi 1525
- Praetrius,Hieronimus 1560
- Praetrius,Michael 1571
- Rovetta,Giovanni ?
- Schein,Johan 1586
- Steuerlein,Johann 1546
- Walter,Johann 1496
写譜された時期はいずれも1850年代。二十歳そこそこのブラームスの興味がこれら作曲家に向いていたということだ。この事実を踏まえると、ブラームスネタそっちのけでバロック特集に走ってもけして叱られることはないと確信する次第だ。
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