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2018年2月17日 (土)

8大コラール筆頭

「筆頭」とは、真っ先に記すべき人という意味で「第一人者」を指す。コラダスの分析から、バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンの4名が素材として取り上げたコラール8作を8大コラールと認定したが、その8つの間には序列をつけず、原題のアルファベット順に列挙するにとどめた。

本日はその中から最高傑作を選ぶという話題だ。

話は遡る。コラダスは元のコラールのテキストをキーにしていたため、同じ旋律が2種類のテキストを伴っていた場合には2とカウントしていた。テキストのないオルガン作品のデータベースだから「別テキスト同旋律」は1とみなしたい。「別テキスト同旋律」がどれほどあるのか調べるうちにお宝情報に巡り合った。

「8大コラール」で冒頭に掲げた「罪びと我を罰したもうな」(Ach herr,mich armen stunder)の「別テキスト同旋律」作品に「心に願うは安き終わり」(Herzlich tut mich verlngen)があった。あまりの驚きにしばし立ち尽くした。

「心に願うは安き終わり」はブラームスの「オルガンのための11のコラール前奏曲」op122の9番と10番だ。

つまりつまり、バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンとブラームスの5人が同じ旋律を採用していることに他ならない。ブラームスがこの事実を知っていたかどうかは不明だが、なんだか本当にうれしい。143曲中たった1曲だ。ブラームスのop122-10は、書籍「ブラームスの辞書」の見開きに手稿譜をデザインしてある特別な位置づけだ。その作品が、ドイツバロックの巨匠たちとブラームスの接点になっていた。

とっておきのワインを一本開けたいくらいの喜びだ。

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