大胆な断言
昨日紹介した「パイプオルガン入門」という書物の91ページ中ほどやや下に驚くべき記述があった。正直凍った。
パッヘルベルを紹介する文脈の中で、バッハやブクステフーデのオルガンコラールは教会で演奏して会衆に聴かせる目的ではなくて、弟子たちへの作曲の手本として書かれたものだと断言している。それに引き換えパッヘルベルは実際の演奏と紐付いていたとよどみがない。
パッヘルベルのエアフルトのプレディガー教会オルガニスト就任の契約書の中に、会衆の歌うコラールをオルガンによって先導することと明記され、即興ではなく事前の作曲が必須という条件が添えられている。
だからパッヘルベルには大変短くて収まりのいいオルガンコラールが多いと結ぶ。
オルガンコラール、特にコラール前奏曲は、音取りをかねたオルガンによる先導だと思い込んでいたが、どうやらすべての作品が実用品という訳ではなかった。会衆の先導よりも弟子の教育という目的が勝っている場合もあるということだ。
断言があまりにサラリとしているのは、私の早とちりを見過ごすかのようだ。
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