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2018年3月31日 (土)

コンプトゥス

ラテン語。「computus」と綴る。断りなく用いれば「復活祭の計算」のことだ。厳密には「computus paschalis」という。「paschalis」は「復活祭」のことなので、「computus」だけなら計算のことだ。黙って「計算」といえば復活祭の割り出しを意味するということだ。そういえば「コンピューター」の語源だった。

「春分の日より後の最初の満月の後、最初の日曜日」

なのだが、注意がいる。春分の日は3月21日に固定される。天文学的には20日が春分の日になることもあるのだが、復活祭の計算では21日に固定される。バッハの誕生日だからというシャープな説明がはまりまくる。

「春分の日の後の満月の日」とはいうものの春分の日が満月だったら、これはセーフ扱いだ。横並びはセーフなのはオフサイドのルールと同じ。だから3月21日が満月で土曜日だと、3月22日が復活祭になる。計算上最も早い復活祭だが、確率は0.5%ほどだ。一方満月が日曜と重なると、復活祭は1週後にずらされる。3月22日が日曜日で満月だとしても22日がイースターにならずに、29日となるからややこしい。

もっとも復活祭になりやすい「イースターの特異日」は4月19日らしい。

今年の復活祭は明日だ。

2018年3月30日 (金)

マタイ受難曲

バッハ宗教作品の金字塔。1727年4月11日、復活祭の2日前つまり聖金曜日にライプチヒにて初演された。キリストの受難を描く作品だけに、復活祭近辺での上演が多くなる。ブラームスの「ドイツレクイエム」の初演も聖金曜日だった。

お叱りも覚悟でごくごく大雑把に申せば、キリスト受難の進行は下記の通りだ。

  1. 聖木曜日 最後の晩餐
  2. 聖金曜日 処刑
  3. 復活祭  復活

毎年変動することに目をつむれば、聖金曜日は命日ということだ。土曜日は死没と復活の間なのでイエス様は黄泉の国におられるということになる。人々は特に静かに過ごす。

興味深いのは復活祭の日取りの計算方法だ。

「春分の日の後、最初の満月の日の次の日曜日」

おお。「春分」という概念は太陽の進行に由来するが、後段の「満月」は月の進行に由来する。太陽暦と陰暦両方が関与するということだ。

本日は聖金曜日である。イースターはあさって。

2018年3月29日 (木)

春の野に出でて若菜摘む

復活祭直前の木曜日は「緑の木曜日」とも言われている。ドイツにはこの日、野原に出かけて以下7種の植物を摘んできて食する風習がある。

  1. サラダ菜
  2. ホウレンソウ
  3. パセリ
  4. 浅葱
  5. すかんぽ
  6. たんぽぽ

日本の七草は下記の通り。

  1. せり
  2. なずな
  3. ごきょう
  4. はこべら
  5. ほとけのざ
  6. すずな(かぶ)
  7. すずしろ(だいこん)

日本の1月はもとより、復活祭2日前となると3月下旬から4月ということもある。だから「我が衣手に雪は降りつつ」と続けても違和感がない。

2018年3月28日 (水)

閉店バーゲン

業種を問わず、閉店が決まったお店は最後の日々に閉店バーゲンが行われることが多い。このあたりが鉄道の路線廃止や、車輌のさよなら運行との違いだ。商品が安く手に入るには入るのだが、悲しい。

5割引き7割引きともなると、店頭は悲惨だ。「包装お断り」の告知もある。売り場が劣化するのだ。売り場に段ボール山積みが見られたり、プライドめいたものが薄まる気がする。だからさびしさと相まってやりきれない気持ちになる。

ブログ運営も同じか。

ブログ「ブラームスの辞書」は2033年5月7日までの毎日継続を目標にしているが、その直前に閉店バーゲン状態になるのだろうか。弱小ブログにプライドも何もあったものではないのだが、気持ちだけは張りつめていたい。あるいは、「バロック特集」のエンディング直前で、ぬるい記事の連発にならぬよう気合を入れる。

2018年3月27日 (火)

会期延長の真の狙い

記事「会期20ヶ月の効能」で、漏らしていることがある。ことブログ運営に関しては、目標を隠しておくことができない性格なので、ここで言及しておく。

20ヶ月への会期延長を決意した決め手は、大プロジェクト後の脱力に対抗するためではあるのだが、もう一つ大きな要素があった。

今年がバッハ生誕333年である。つまりロウソクが333本必要ということ。ならばバッハ関連記事を333本公開したいと思った。会期中にカテゴリー「301バッハ」に属する記事を333本公開するという野望だ。それには会期一年では足りない。20ヶ月およそ600日のフィールドを用意してバッハ記事333本に挑むとここに宣言する。

厳密にいうと、会期末を迎えるころには334回目の誕生日も超えているから、334本を目指すことになる。

本年1月1日のバロック特集立ち上げ直前の段階で、カテゴリー「301バッハ」に属する記事は131本あった。2019年8月31日の会期末にはこれを465本にまで引き上げたいということだ。

2018年3月26日 (月)

会期20ヶ月の効能

バロック特集の会期を20ヶ月と決めたのは、後に控える「クララ特集」に切れ目なくつなげるためだ。息つく暇なく次の企画を立ち上げることで、大プロジェクト後の脱力に備える意図があった。

2018年1月から2019年8月という20ヶ月だ。一方こうしたことで、記事配置の運用に弾力性が生じた。誕生日、命日、初演日のようなネタは、公開日がピンポイントとなることが多い。そうしたピンポイントネタが集中したときは、腕の見せ所であると同時に大変悩ましい。

会期が20ヶ月になったことで、1月から8月までの各月が2度訪れることになる。ピンポイントネタの公開日が2018年と2019年の2度チャンスが来る。これは大変重要だ。

2018年3月25日 (日)

企画のアレンジ

2016年の秋が深まった頃だった。生誕333年のバッハ特集を2018年に実施すると決めた。そこから記事のせき止めが始まった。バッハ関連の記事の公開を停止して備蓄に走ったということだ。同時に書き下ろしも始めた。会期半年程度のバッハ特集をもくろんでいた。

ところが、ほどなくバッハとヴィヴァルディの関係記事を書くうちにヴィヴァルディの記事が堆積し始めた。さらにヴィヴァルディを根城にヴェラチーニ、ジェミニアーニ、タルティーニに飛び火し始めると、もうあとはイタリアンバロックが芋蔓式だった。

一方、テレマン、ヘンデルから、ブクステフーデ、パッヘルベルへとドイツバロック系統の記事も堆積を始めた。

バッハに軸足を置きつつ、ドイツとイタリアのバロックへと質量両面の拡充が加速した結果、会期を1年に延長しバロック特集とする表札のすげ替えが起きたのが2017年5月くらいだったと思う。そして今、2019年8月31日を会期末とすることを正式に決定した。

記事の3分の2はバッハだけれど、バロック全般に視野を広げたこと、今では正解だったと思っている。

2018年3月24日 (土)

会期確定

現在ブログ「ブラームスの辞書」で展開中の「バロック特集」のエンディングを2019年8月31日とする。2018年1月1日開幕だから、会期は20ヶ月となる。偶数月の末日に発信する総集編は10回分にあたる。

熟考の末の決定だ。

理由はシンプルである。2019年9月13日からクララ・シューマンの生誕200年を祝う「クララ特集」を立ち上げるからだ。バロック特集の後始末記事が数本あると考えると、ほぼアタッカといえる。

2018年3月23日 (金)

バロックの紀元前

世界史を学ぶ学生にとって「B.C.」と言えば基本中の基本だ。「紀元前」の略号だ。キリスト生誕以前の年代表記の際に用いられる。キリスト生誕後を示す「A.D.」と違って省略はされない。

バロック音楽作品を収録したCDのブックレットの中にも割と頻繁に「b.c.」が出現する。大抵は小文字だ。まさか「紀元前」の意味と誤解する人はおるまい。

「basso continuo」の略。「basso」は低音。「continuo」は英語「コンティニュー」と語源が同じで、合わせて「通奏低音」と和訳される。チェンバロやオルガンあるいはヴァイオリンなどの独奏曲を除いて頻繁にあらわれる。

バロック時代のことを「通奏低音の時代」と呼ぶ学者さえいるくらいだ。バスのパートには単音と数字が記されいて、演奏者の即興でどうぞというあれである。

通奏低音はパート名ではないので必ずしも単一の楽器ということもなく、楽器の種類や数もまた演奏者の判断に任せられる。長い経験に照らして選ばれるだけあって大体固定されているようだ。

2018年3月22日 (木)

春分の日

春分の日は移動祝日で、ほぼ3月20日と21日と決まっている。平たく言うと「春のお彼岸」だ。

キリスト教世界では、とても大切な移動祝日「復活祭」の日程を計算する基準日となっている。その復活祭を基準にして設定される祝日も多いので、さまざまな行事の起点が春分ということだ。

その大切な日がバッハの誕生日だということを思うとき、なんだか奇跡的なものを感じる。バッハ生誕の年1685年はうるう年の翌年だから3月21日が春分だったと思われる。

2018年3月21日 (水)

生誕333周年

本日2018年3月21日は、バッハ生誕333年の記念日にあたる。生きていればローソク333本でお祝いするべき日だ。

元日から展開中の「バロック特集」は、ブログ「ブラームスの辞書」からの手の込んだお祝いである。

2018年3月20日 (火)

グルミアウクス

ローマの将軍か何かの名前かと思われかねない。中学生の頃クラシック音楽に親しみ始めて程なく「グリュミョー」という名前に接していた。まさか「Grumiaux」と綴るとは夢にも思っておらず、「グルミアウクス」は別物だと思っていた。

大好きなヴァイオリニストだ。音色の美しさで名高いらしいのだが、それだけでもあるまい。特にバッハの演奏においては群を抜いた存在だと感じている。一連の無伴奏作品、チェンバロとの二重奏、さらにはコンチェルトなど残されたCDは高いレベルで粒ぞろいだ。
ブラームスのソナタだって格別の存在である。
なんてたって彼の誕生日は1921年3月21日。バッハと同じだ。

2018年3月19日 (月)

レーガー

1896年、ブラームスの死の前年だ。マックスレーガーは「JSバッハの亡き魂に」op16をブラームスに贈った。オルガン組曲である。ブラームスに対する献辞が添えられていて、ブラームスがたいそう喜んだという。

もともとレーガーはバッハ好きである。バッハの主題による変奏曲も書いている。それだけなら「レーガーさんもバッハをお好きなのね」で終わるのだが、「JSバッハ」を冠した作品をわざわざ献辞をつけてブラームスに贈るとなると話は別だ。

ブラームスもバッハ好きである前提がないとあり得ぬ話だ。好意を相手に伝える場合、相手の気に入るものを贈るのが自然だ。つまりブラームスのバッハ好きをレーガーが知っていたということだ。

本日3月19日はレーガーの誕生日だ。

大問題がある。CDがなかなか見つからない。

2018年3月18日 (日)

バッハマニア

レーガーは作曲家、オルガニスト、ピアニスト、指揮者ということになっている。これに加えて編曲者という一面も見過ごせない。編曲の素材にバッハが選ばれることが頻繁にある。オルガニストらしくバッハへの傾倒は本格的だ。

編曲の方向として、バッハのオルガン作品をピアノに編曲しているのであれば、とても理解しやすい。19世紀後半からのレーガーの時代は、ピアノの普及が行き着くところまでいった時代だ。家庭への浸透も含めて普及度は頂点に達する。

一方でオルガンはその規模もあって普及度をピアノと同列に扱う訳にはいかない。だからバッハのクラヴィーア作品をオルガン用に編曲するというのは、編曲の向きとしては相当マニアックだ。

このほど、そこを絵に描いたようなCDを入手した。

  1. 半音階的幻想曲とフーガBWV993
  2. 平均律クラヴィーア曲集から嬰ハ短調の前奏曲とフーガBWV849
  3. インヴェンション BWV772~786
  4. 幻想曲とフーガDdurBWV912

これらのオルガン編曲だ。クラヴィーア作品として十分に普及している作品をわざわざオルガン用に転写するのだから芸が細かい。

聴いていて楽しい。

2018年3月17日 (土)

次女大学を巣立つ

昨日次女が大学を卒業した。

82歳の母は、数日前から体調を整えて都内まで長駆参列した。仕事オフの長女が母を連れて出てくれたから安心だ。末っ子の大学卒業は祖母の子育ての一区切りだ。

これで我が家に学生がいなくなった。

2018年3月16日 (金)

アレッサンドリーニ

イタリアのチェンバロ奏者兼指揮者。ビオンディを相棒にバッハのソナタ全曲を収録したCDが、彼との最初の接点だった。ビオンディは四季でブレークする前、アレッサンドリーニ率いる合奏団でコンマスをしていた。そこですでに才能の片りんは見せていたのだろう。だから「四季」の録音の話が舞い込むのだ。そのときに「しからば」と結成したのが「Europa Galante」である。これでアレッサンドリーニと切れてしまったわけではなくバッハをご一緒しているということだ。二人の二重奏はキビキビで、あのバッハを振り回している感じがする。

ビオンディの誕生日が1961年3月15日で、長男と同じだと昨日はしゃいだところなのだが、相棒のアレッサンドリーニさんは1960年1月25日生まれだ。二人が一つ違いだと言いたいのではない。私の生年月日と1日違いだ。

2018年3月15日 (木)

ビオンディ

昔こういう名前の水泳選手がアメリカにいたからショップでCDを手に取ったときは面食らった。もちろん別人なのだがイタリアのバロックヴァイオリン奏者にファビオ・ビオンディがいる。

我が家にもCDがある。ヴァイオリンソナタはとても気持ちがいい。バロックヴァイオリンは、ヴィオラダガンバほどではないにしても響きが心細いと感じていたが、この人は例外だった。イタリア人のバッハ云々という屁理屈を笑い飛ばしてくれる爽快な演奏だ。バッハを振り回しているとでも申せばいいのだろうか。

同じくバッハのヴァイオリン協奏曲にも風変わりなCDがある。定番のイ短調やホ長調、あるいはドッペルには華麗なスルーをかまして、チェンバロ協奏曲の原曲の再現としてのヴァイオリン協奏曲を入れている。正規なヴァイオリン協奏曲ホ長調はチェンバロ版になっているというはぐらかし方が痛快だ。

すごいすごいとうわさのヴィヴァルディは、ベストセラーのイムジチの演奏が刷り込まれきっている脳みそには刺激が強い。でも楽しい。顔をしかめる向きは多いのだろうが知ったことではない。さらに「調和の霊感」op3はもっとすごい。ヴァイオリン練習用として名高いイ短調op3-6は異次元だ。課題研究にと初心者が聴いたら腰を抜かすだろう。学生時代に合奏に参加した曲が多いのだが、既成概念を根底から揺さぶってくれる。

今日はビオンディの誕生日だという。長男と同じだ。

2018年3月14日 (水)

出産予定日

我が家の最初の子供の妊娠が判明したとき、医師から伝えられた出産予定日は「3月21日」だった。「まじかよ」ってなもんだ。予定通りならバッハと同じ日になるからだ。知人友人にはしばらくドヤ顔で告げて回った。ほどなくしておなかの子はどうやら男の子ということもわかってワクワクと待った。

3月15日未明に産気づいてしまった時には「聞いていないよ」という状態だった。

明日はバッハにかすった長男の誕生日だ。

2018年3月13日 (火)

カロリーナアウグスタ

1871年3月13日、カロリーナアウグスタウィルヘルミーネという女性が息を引き取った。

彼女はバッハの息子ヨハンクリストフの孫。つまりバッハの曾孫にあたる女性なのだが、彼女の死をもってヨハンゼバスチャンバッハの直系が途絶えた。バッハ本人は20人の子供に恵まれ、孫17人、ひ孫14人で曾孫の子も一人いたのだが、今直系の子孫はいないということだ。

バッハの14人の曾孫のうちの一人、彼女の死が当時どの程度のニュースヴァリューがあったかわからぬが、普仏戦争の年であり、パリが陥落し、1月18日にドイツ帝国が成立した直後にひっそりとなくなっていた。

2018年3月12日 (月)

バッハのエコバッグ

昨年末にタワレコで買い求めた。アナログLPが入るサイズという謳い文句が添えられていた。今時LPでもないと突っ込むのも野暮ということで、買い求めた。店頭の品ぞろえとしてはベートーヴェンやモーツアルトもあったが、ブラームスはなかったので、バッハと決めた。1500円の出費だ。

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見ての通り、取っ手が長い上に、素材も丈夫。マチも見た目より広くて使い勝手がいい。今年一年これを使い回すと決めている。

2018年3月11日 (日)

3大宗教作品

ブラームスは1872年秋から1875年春までウイーン楽友協会音楽監督の地位にあったが、その最後のシーズンの選曲を調べていて興味深い事実を発見した。

  • 1874年12月06日 ベートーヴェン:ミサソレムニス
  • 1875年02月28日 ブラームス:ドイツレクイエム
  • 1875年03月23日 バッハ:マタイ受難曲

ご覧の通りだ。この周辺の事情は以前にも述べておいた。

この年、復活祭は3月28日だった。バッハのマタイ受難曲を聖金曜日の3日前に演奏したということだ。自作の「ドイツレクイエム」はイースターのちょうど1か月前。ついでに申すならミサソレムニスは作曲者ベートーヴェンの誕生日の10日前である。

楽友協会音楽監督の辞任を決めていたブラームスがラストシーズンで放つプログラム。これをドイツ3大宗教作品と断じてもブログ炎上には至るまい。

2018年3月10日 (土)

父として

ヨハン・セバスチャン・バッハは音楽史に名を残す息子4人に恵まれた。

  • 長男 ウイルヘルム・フリードリヒ
  • 次男 カール・フィリップ・エマニュエル
  • 七男 ヨハン・クリストフ・フリードリヒ
  • 九男 ヨハン・クリスチャン

彼等の最初の教師は父である。周知の通りバッハのクラヴィーア作品の中でいわゆる教育的作品は大きな柱の一つとなっている。

  • 平均律クラヴィーア曲集
  • インヴェンションとシンフォニア

上記がその代表だ。このほかに当時9歳になった長男ウイルヘルム・フリーデマンのための教材として使われた作品が「ウイルヘルム・フリーデマンのための音楽帳」として伝えられている。この音楽帳には、上記2つの曲集に含まれる作品がよりオリジナルな形で記載されている。

インヴェンションの15番ロ短調は、学問的には「インヴェンション・フーガ」と分類されている。オリジナルは「ウイルヘルム・フリーデマンのための音楽帳」に載っている。この曲は「ほとんどフーガのような作品」なのだ。「ほとんど」というのには訳があって、厳密なフーガの定義からははずれているという。フーガには「冒頭で主題が提示される時には、ベースラインを伴ってはならない」という決まりがある。先のインヴェンション15番は、冒頭の主題提示がベースラインを率いているのだ。だからフーガとは言えないが、内容は厳格なフーガだ。初心者の息子たちにフーガの主題のベースラインをさりげなく明示するバッハの暖かな視線を感じる。フーガの禁則と承知の上での話である。実は「インヴェンション・フーガ」というジャンルは、一部禁則違反を含むフーガたちなのだ。父親たるバッハの心遣いと感じる。

ブラームスは、生涯独身を貫いた。もし良き伴侶に巡り会って子供をもうけていたら、きっと音楽を教えたと思う。

  1. 街で出会う子供たちにお菓子を与えることを楽しみにしていた等、子供がらみのほほえましいエピソードが多い。
  2. 鉛の兵隊ごっこが好きで、大人になってからも大事にしていた。
  3. シューマンの子供たちのとの暖かな交流。
  4. とりわけ自分が名付け親になったシューマンの遺児フェリクスに対する細やかな心遣い。
  5. ピアノのための51の練習曲を筆頭に、いくつかのピアノ練習曲を遺している。
  6. シューマンの子供たちのために「子供のためのドイツ民謡」を遺している。

これらが私がそう考える根拠だ。そして子供が女の子であってもキチンと教えたと思う。

そして何より知人の出産を祝った子守歌op49-4があんなに素晴らしいのだ。自分の子供への子守歌だったら、さぞやと想像するばかりである。

2018年3月 9日 (金)

利き手

ブラームスの自筆譜や手紙の実物はともかく、写真でならば目にしたこともある。

本日はその筆跡がはたして左右どちらの手で書かれたかという話題である。現在残されている資料からブラームスの利き手が左右どちらだったのか判るのだろうか?おびただしい関連書物に記載されていただろうか?何かをペンを持っている写真でもあればいいのだが、見たことがない。指揮は利き手に関係なく右手だろうし、ピアノ演奏の絵や写真では利き手までは判るまい。葉巻は必ず利き手で持つとは限らない。

つまり決め手がないのだ。多分右なのだと思う。一般に右利きのほうが多いから、もしブラームスが左利きだったら知人がそれに言及していると思われる。言及がないのは右利きの印と思いたいが、決定打に欠ける。

ブラームスに限らず作曲家の利き手の話題はあまり見かけないが、バッハの次男カール・フィリップ・エマニュアエル・バッハは左利きだという。そのため他の兄弟には幼い頃から弦楽器を教えたバッハも、この次男にはクラヴィーアだけしか教えなかったという。おかげで彼はクラヴィーア一本で研鑽を積み、古典派初頭屈指のクラヴィーア演奏家・作曲家になるのだ。

ピアノとともにチェロやヴァイオリンを習っていたブラームスはやはり右利きだったかもしれない。

2018年3月 8日 (木)

次男の誕生日

本日3月8日は、バッハの次男カールフィリップエマニュエルの誕生日だ。CPEバッハと通称されている。

母は最初の妻マリアバルバラ。

生前は父をしのぐ名声を得ていた。父から相続した楽譜をほぼ後世に伝えきったことも特筆されていい。人呼んで「ハンブルクのバッハ」。テレマンの後任としてハンザ自由都市ハンブルクの音楽監督の座にあったのでこうよばれる。ブラームスの出生前に亡くなっているものの、ハンブルク生まれの音楽家として尊敬していた。

ブラームスはCPEバッハの鍵盤楽器作品の出版にあたり校訂役を引き受けている。

2018年3月 7日 (水)

研究対象

バッハは、ヴィヴァルディのコンチェルトを編曲しているのでBWV番号の若い順に列挙する。ここいらの作品が存在することで、ヴィヴァルディが知られ始めたと考えていい。

<オルガン用>

  1. BWV 593 ハ長調 op3-8 2Vn
  2. BWV 594 ハ長調 op7-11 VnSolo
  3. BWV 596 ニ短調 op3-11 2Vn+Vc

<クラヴィーア協奏曲用>

  1. BWV 972 ニ長調 op3-9 VnSolo
  2. BWV 973 ト長調 op7-8 VnSolo 
  3. BWV 975 ト短調 op4-6 VnSolo
  4. BWV 976 ハ長調 op3-12 VnSolo
  5. BWV 978 ヘ長調 op3-3 VnSolo
  6. BWV 980 ト長調 op4-1 VnSolo
  7. BWV1065 イ短調 op3-10 VnSolo

2018年3月 6日 (火)

ビバルディ伝

偕成社1998年のヴィヴァルディの伝記の第二版が2015年になって刊行されていた。

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青少年向けという建前らしく、ふりがなが丁寧につけてある。読みやすい上にカラー写真が満載で楽しい。とてもよいシリーズで他にはドヴォルザークも所有しているのだが、どうしたことかブラームスがシリーズがから漏れている。

2018年3月 5日 (月)

ヴィヴァルディ伝

マルク・パンシェルという人が著したヴィヴァルディの伝記だ。

ながくながく探していたがこのほどとうとう入手した。1986年の刊行だからもう31年前の本。黄ばんでいるけれど、お宝。ヴィヴァルディの伝記はブラームスに比べて層が薄いから本当に貴重だ。音楽之友社刊行の「作曲家別作品解説ヴィヴァルディ」の参考文献に挙げられていた。日本に流布するヴィヴァルディ情報のソースになっている。

2018年3月 4日 (日)

生誕340年

アントニオ・ヴィヴァルディは1678年3月4日つまり340年前の今日ヴェネツィアに生まれた。だから今日は生誕340年の記念日だ。

なぜヴィヴァルディなのかはこの先おいおい触れてゆく。「四季」だけを聴いてヴィヴァルディを知った気になっているというもったいなさを確認してゆきたいのだが、その過程でバッハの力を借りることにする。

2018年3月 3日 (土)

ヴィヴァルディボックス

2016年にデッカからリリースのイムジチによるヴィヴァルディボックス26枚組を入手した。イムジチなので、トリオソナタop5、ヴァイオリンソナタop2、2つのヴァイオリンのためのソナタop1は収録されていないが、合奏系は概ね網羅されている。「四季」は2種類、アーヨの1962年盤、とアゴスティーニ盤だ。外箱にアッカルドの名前が書いてあり、収録曲も表示されているのに、アッカルドさんがどこで独奏しているかは、ブックレットを見るまで分からぬという巧妙なマーケティングだ。騙されたつもりで買い求め、帰宅してブックレットをめくる。なんとなんとアッカルドさんがop7、op11、op12で独奏を担当していた。

オーボエ独奏がホリガーであるほか、歴代コンマスが入れ替わり立ち代わりで飽きない。イムジチだからバロックヴァイオリンではない。現代ヴァイオリンの澄み切った明るさが売り。

中学生のとき授業で聴いた「四季」以来イムジチにのめりこんだ記憶がよみがえる。ビオンディも大好きだけれど、やはりイムジチも深い。

2018年3月 2日 (金)

華麗なる脱線

バロック特集と銘打った企画の真っただ中、いよいよヴィヴァルディにぼちぼち言及を開始する。ヴァイオリンの関与する器楽曲は、ただただ興味深い。1曲1曲が短くて音楽的意図が明確だから気持ちがいい。個体の識別が容易でない部分さえ慣れてくれば本当に心地よい。

バッハを起点にしたヴィヴァルディへの脱線は、ドイツ音楽史の流れと一致する。大国フランス、ロシア、オーストリア、英国に囲まれたドイツは統一を目指す民族的意図の中で、あらゆる分野でのドイツアイデンティティの構築をもくろむ。

音楽もしかりだ。バッハを復興する中で、ベートーヴェンからブラームスに至る流れをスローガンとしての「3大B」に埋め込む。ドイツ音楽を音楽史の本流と据え直す過程で、その源流たるバッハへの理解を深める。ドイツ語圏、それもプロテスタント圏内に生涯とどまりながら、音楽だけは広く情報収集に励んだバッハは、ヴィヴァルディ作品におびただしい数の編曲を施した。

バッハ研究の副産物としてヴィヴァルディ研究が進んだこと周知の通りである。

ヴィヴァルディは、バッハ在世当時最先端だったイタリアのそのまた最先端の音楽家だったこと、肝に銘じておきたい。

2018年3月 1日 (木)

閉店ラッシュ

地方都市の百貨店受難の時代らしい。郊外型のショッピングモールに押されてなどど理由が取り沙汰されて久しい。

昨日2月28日をもって西武百貨店船橋店が閉店となった。50年前、同店のオープニングのころ、家具売り場でソファを買ったと母が言っている。

何よりも、亡き妻は私との結婚のために同店を寿退社した。私の両親は、結婚が決まると同店に客を装って突入し、未来の花嫁の顔を見に出かけたものだ。母はある店員さんの名札を見て、涙が出たといっていた。披露宴には新婦の関係者として上司や同僚がかけつけてくれた。我が家の電子ピアノも同店の楽器売場で購入したものだ。

さびしい。

同店で次女の就職祝いにと母が腕時計を買った。最後のお買い物。

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