ミニョンのレクイエム
ブラームスの恩師シューマンにもラテン語の典礼文とは全く関係のないレクイエムがある。それが本日のお題「ミニョンためのレクイエム」だ。
ゲーテの「ウイルヘルムマイスターの修行時代」より第8巻第8章がテキストになっている。ラテン語ではなくドイツ語だ。全6曲で演奏時間は約15分弱だ。ミニョンとはゲーテの作品に登場する少女の名前だそうだ。
1863年11月15日、ウィーンジンクアカデミーの音楽監督に就任したブラームスは、最初の演奏会でバッハのカンタータ第21番「我が心は憂い多かりき」を演奏するが、その日のプログラムにこの「ミニヨンのためのレクイエム」もあった。曲の規模から申してメインプログラムとは言えないが、ここにシューマンの合唱曲を持ってくることには積極的な意味があると思う。バッハのカンタータとともに選んだシューマンは、自らの音楽的出自を顕すと解したい。名刺代わりの選曲だったと感じる。
何よりもこれは「ミニョンのためのレクイエム」ウィーン初演であった。
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