オルガン鑑定
新設または修理したオルガンの性能を検査判定することと「バッハ辞典」に書いてある。同書の内容を要約するとバッハのオルガン鑑定は下記のような特色がある。まずはその手法。
- 全ストップを引き出す 引き出すということはパイプに風が流れるということだ。つまり、すべてのパイプの音を出してみるということである。
- 出来るだけ多声部で弾いてオルガンの全能力を引き出す。
- 「オルガンが丈夫な肺をもっているか確認する」と表現している。
バッハは当代一のオルガニストとして各地のオルガン鑑定に招かれた。自筆鑑定書が残っているのは下記の通りである。鑑定年、場所、オルガン製作者の順で列挙する。
- 1711 タウバッハ/N.H.トレープス
- 1716 ハレ聖母教会/C.クンチウス
- 1716 エアフルト・アウグウティヌス教会/J.Gシュレーダー
- 1717 ライプチヒ・パウロ教会/J.シャイベ
- 1746 チョルダウ/J.シャイベ
- 1746 ナウムブルク・ベンチェラウス教会/Z.ヒルデブランド
バッハ26歳から61歳である。
鑑定自体は20箇所で行われたとされている。その報告の内容を以下に要約する。
- 検査内容
- 制作契約書と出来映えの比較評価
- 簡単に是正可能な欠陥
- 是正不可能な大きな欠陥
- 制作者への賛辞
整然としていて気持ちがいい。
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