アジア初演か
1918年6月1日の徳島坂東におけるベ-トーヴェンの第九交響曲の演奏が、日本初演だということなのだが、この演奏が同時に「アジア初演」だと断言されている。
第一次大戦で日本が陥落させた中国青島のドイツ租借地は、日本の攻撃を受けるまで10年以上ドイツ人が多数居留していた。青島ビールはドイツ人用のビール供給に端を発する。オーケストラも組織されていた。
素朴な疑問がある。
日本に占領されるまでの間、同地オケは第九交響曲を演奏しなかったのだろうか。
当時の青島はドイツ人も多く住んでいた。俘虜という制約もない音楽活動が保証されていたはずで、第九交響曲の演奏が試みられたことがないというのか。坂東が「日本初演」に加えて「アジア初演」と断言する以上、その点の検証には抜かりがないと思うには思うのだが、信じられない。
征服前の青島で顧みられることがなかった第九演奏が、俘虜生活の制約の中で実現したということなのか。
« 第九日本初演 | トップページ | オルガン作品全集の状況 »
ポコフォルテさま
いらっしゃいませ。10年あれば正月も10回来るので、第九が演奏されてもよさそうですが。
気になるので、バロック特集を2日も中断しました。
投稿: アルトのパパ | 2018年6月 2日 (土) 05時30分
いつも楽しく拝見しています。
第九が日本のみならずアジア初演か、興味深いですね。
少し後の第二次大戦当時では領地に作られた楽団ではダンス音楽や慰問に訪れたオペラ歌手のうたうアリアなどが多く所望されました。近衛秀麿の判が押された楽譜が各地に残っています。想像にすぎませんが青島でもビールに合うレハールなどが人気だったのではないでしょうか。
現代のドイツでは第九はお正月に演奏されると聞きました。
投稿: ポコフォルテ | 2018年6月 2日 (土) 04時55分