お盆のファンタジー32
六重奏の話は、自作だということもあって、それはそれは控えめな喜び方だった。話の一段落を待って、「ところで」と話を変える。「DUK77ってなんだ?」
は?
という私の顔つきをうかがって、さらにたたみかける。「羽田空港で写真撮影のときに見かけた」と言っている。
先般のドイツ公演の際に、裏方でがんばったOGチームの名前だと説明した。現役の生徒たちだけでは、公演の運営に手が回らず、国内での演奏会のようなクオリティにならないから、有志を募って現地裏方を募集したんだ。「フットボールのチームかと思った」と切り返すブラームスさんだが、総勢11名だったということもお見通しのようだ。「何人か青いネクタイの生徒がいただろ?」一部は演奏の手助けもしたと説明した。
「それにしても天国から直行の我々とちがってお金もかかるんだろ?」と心配顔のブラームスさん。「後輩の演奏会を助けたいというピュアでまっすぐな気持ちの現れです」と答えておいた。ついでにノイシュヴァンシュタイン城にも立ち寄る強行軍だったと付け加えたら、「ああ知っているよ」と言っている。なんでも「神様お天気センター」にお願いして現地に雪を降らせたとどや顔だ。
もはや「子供たち」「生徒」といういい方は似合わない立派なレディーたちだなと、意見が一致した。
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