バッハの旅路
バッハ65年の生涯のうちで、最大最長の旅はと問われれば、1705年11月の徒歩旅行と唱えても誤りとはなるまい。当時の任地アルンシュタットから、尊敬するブクステフーデのいるリューベックへの徒歩旅行だ。リューベック聖マリア教会のブクステフーデは当時最高のオルガニストだ。
一方のバッハは、二十歳。1703年8月9日にアルンシュタット新教会のオルガニストになったばかり。つまりブクステフーデは当代最高の同業者ということになる。リューベックは、アルンシュタットの真北、直線距離でおよそ350kmの位置にある。勤務先に4週間の休暇を申し出て徒歩でリューベックを目指した。
先に紹介した「バッハの街」の313ページに驚くべき記述がある。このときバッハのたどったコースが通過した都市名を添えて詳細に紹介されている。
せっかくなので、手持ちのドイツ道路地図をたよりにバッハの旅路を再現してみる。
見開きに掲載の地図で、アルンシュタットとリューベックの位置関係を確認しておく。
現代の地図ではアウトバーンが地形に関係なく張り巡らされているからわかりにくいが、アルンシュタットの北方は、ハルツ山地が横たわっている。これを直線的に突き抜けるコースは取れないから、図の直線はあくまでも目安となる。
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