ゲルチュタール橋
かつて展開した「鉄道特集」の中で、レンガ造りとしては世界最大の鉄道橋について言及しておいた。
この度の旅行の3大テーマの一つ「鉄道」の中で、この地の訪問は最大のエポックだった。最寄り駅ネチュカウから1.2kmの徒歩。帰路同駅に引き返さずに6km歩いてグライツに向かうハイキングというプラン自体が大きな冒険だった。
こうして初めて見えたときは、心が震えた。どれだけうれしいかお分かりいただけるだろうか。
周囲の建物と比較すればどれほどの規模かお分かりいただけるはずだ。
さらに近づくとその威容が実感できた。運が良ければ実際に列車が通るところを撮影できるのだが。日曜だというのに人影もない。
古代ローマの水道橋を思わせる威容。ただ深くため息をついた。
実のところ、ゲルチュタール橋が渡っているのはこのちっぽけな川。この川を渡るのにこの規模の橋とは豪勢な話だ。川が削った谷を渡ると考えねばならない。実はこのちっぽけな川が、ザクゼンとチューリンゲンの州境を形成している。昔は国境だったということだ。
ああ、それにしてもこれだけの大建造物なのに、観光資源としてはほぼ無名。アクセス不便の上に案内表示皆無だ。「地球の歩き方」にも載っていない。それだけに苦労してたどり着いたという感慨はひとしおだ。
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