乗り鉄たるもの
鉄道マニアのうち、列車に乗りたい人々のことを俗に「乗り鉄」というらしい。私自身は鉄道好きではあるのだが「乗り鉄である」という自覚はなかった。ところが、今回の旅行のスケジュールを立てていて、乗り鉄の心がわかった気がした。
ドイツで鉄道に乗りまくるというコンセプトで時刻表と地図片手に日程を組むのだが、やっているうちに無意識に、同じ路線を二度走りたくない自分に気付いた。ミュンヘン空港に降り立ってから、フランクフルト空港から飛び立つまで、出来ればループにしたいのだ。市電や地下鉄は除外するとして2度走ったのは以下の通りとなった。
- ライプチヒ-アイゼナハ 176km
- リューベック-ハンブルク 63km
- キール-リューベック 80km
全行程2860kmのうち、上記319kmが重複乗車だ。仮にアイゼナハからハンブルクに向かう際、所要時間優先で、カッセル経由にしてしまうと、最終日にハンブルクからフランクフルト空港に向かうとき、ハンブルク-カッセル間が長大な重複乗車330kmとなってしまう。だから、アイゼナハとライプチヒ間の176km重複乗車を承知でライプチヒ経由とした。これだとベルリンを通ることが出来るというメリットも出て来る。ライプチヒで6分、ベルリンで9分の停車も楽しい。
こういうことを考えるのが乗り鉄なんだろうと思う。
というわけでアイゼナハからライプチヒ、ベルリンを経てハンブルクに行く列車に乗る。アイゼナハ発8時03分でハンブルク着12時20分だ。昼食を車内で済ますことで、ハンブルク下車後すぐ観光に移れる予定だ。
ところが、セバスチャン危機一髪の陰に隠れているがここで、もう一つトラブルが発生した。乗車予定の列車が30分遅れているのだ。さらに悪いことにICE専用軌道で緊急工事のため、アイゼナハとライプチヒ間、正確にはエアフルトとライプチヒの間を在来線で走るとのことで所要時間が30分余計にかかるということだ。ライプチヒまでに遅れが60分に拡大するということに他ならない。
おまけに食堂車では食事の用意がなくて、飲み物だけとわかった。
さっそくセバスチャンと作戦会議をした。しかし、しかし、これはけがの功名というものだ。
エアフルト-ライプチヒ間ICE専用線は今回旅行の懸案だった。下記の通り3度走るからだ。
- 8月10日 ニュルンベルクからライプチヒに向かうとき。
- 8月13日 ライプチヒからアイゼナハに向かうとき
- 8月14日 アイゼナハからハンブルクに向かうとき
今回の緊急工事のおかげで上記の3番目が在来線経由となり、同じところを三回という懸案を解消できた。
ハンブルク着は13時20分くらいになるものと覚悟して気を取り直した。
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