セバスチャン危機一髪
8月14日朝にそれは起きた。アイゼナハからハンブルクへの長距離移動の日。8時04分発の列車に乗るべくホテルを7時20分に出た。スーツケースを転がすので早めの行動のつもりだった。
旧市街入り口のニコライ門を出てすぐ、セバスチャンをホテルの部屋に忘れたことに気付いた。スーツケースと極端に相性が悪い石畳の歩道をホテルに引き返す。フロントで事情を話すと「まだ部屋は開いてるから、早く行け」と言ってくれた上に、荷物を見張ってくれるという。
セバスチャンはベッドサイドテーブルの上で泣いていた。
よかった。フロントに戻って礼を言った。忘れ物がセバスチャンだとわかって笑われた。気づくのが早くて助かった。
セバスチャンとコーヒーを飲んだ。もし忘れていたら、先の旅程が台無しだった。気分が悪い。お金を落とすよりたちが悪い。
「ごめんなさいセバスチャン」
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