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2018年12月 4日 (火)

シュニットガーオルガン

8月15日午後最大の楽しみはヤコビ教会だ。

ハンブルクにある主要5教会の一つ。1720年11月バッハは前任の死去にともなって空席となったハンブルクヤコビ教会のオルガニストに志願する。当時ケーテンの宮廷楽長であった。

この時の試験演奏を年老いたヨハンアダムラインケンが聴いていた。ラインケンはバッハの即興演奏を激賞したと伝えられている。ラインケンのオルガンコラール「バビロンの河のほとりで」に基づく即興演奏だった。ラインケンの「バビロンの河のほとりで」は、15歳で筆写したワイマール手稿譜にもあったから、バッハにとっては得意の演目だったものと思われる。がしかし、バッハは就任を辞退した。就任に際して発生する上納金を嫌ってと言われている。

このとき、バッハが就任していれば、ブラームスの故郷ハンブルクと太いつながりができていたかと思うと惜しい気もする。ヤコプ・プレトリウス1世、ヒエロニムス・プレトリウス、マティアス・ヴェックマンなど、歴代オルガニストには綺羅星のごとく著名人がいる。

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ここにアルプ・シュニットガー制作のオルガンが現存する。バッハが生まれる前に亡くなっているが、彼の手によって140ともいわれる数のオルガンが製作された。活躍の中心はハンブルクだ。廃墟が保存されているだけのニコライ教会には、パイプ4000の当時世界最大のオルガンがあった。現存するのは30基と言われている。その内の一つがここヤコビ教会というわけだ。

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奇跡はおきた。

演奏会のリハーサルが行われていて、実際に音を聴くことができた。多分バッハだと思うけれど、そんなことはどうでもいい。演奏会はないものと諦めていた心に、じんわりとしみこんでくる。ヤコビのシュニットガーが聴けている。

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ライプチヒのトマスやニコライとはまた違う。かれこれ30分呆然と聴いた。ただただ、ただただありがたい。

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