Generalbassaussetzung
ドイツ語特有の長い名詞。前段「Generalbass」と後段「Aussetzung」に分けて考えるといい。通奏低音のパートを、実際の楽譜に落とすことだ。作曲者ここでいうパッヘルベルは、バスのパートには単音しか記していない。それはチェンバロの左手に該当する。当時はそこからアドリブで右手のパートを補うのが普通だったが、今時代は変わった。バスのパートを単音のみにして「オリジナルに忠実です」と大見得を切ったところで、楽譜は売れない。
市販される楽譜には校訂者によって右手のパートが書き込まれているのが普通で、このアクションを「Generalbassaussetzung」と言う。およそ全うな楽譜なら、校訂者の名前が表紙など目立つところに明記される。
我が家はヘンレ版だ。校訂者はウォルフガング・コスチャクさんだとわかる。購入にあたっては、ペータース、ショットから出されている楽譜と見比べてピッタリくるヘンレを買い求めたということだ。当然チェンバロの右手が所有しているCDとは、違うのは覚悟の上だ。
現代風にさまざまにアレンジされている人気作なのだが、原典版参照しながらオリジナル編成版を聴くと、ほんとに美しい。
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