レアな編成
パッヘルベルのカノンと言えば、相当な知名度。ヴィヴァルディの「四季」と何ら遜色はない。卒業式で流れたりもするのでかなりなものだ。
現代風にいろいろアレンジされているのだが、オリジナルは「3本のヴァイオリンと通奏低音」という編成になる。なんでもありのバロック時代でもなかなか珍しい。品揃え豊富なテレマンに1曲あるらしい。(TWV43:BA1)
バッハにもヴィヴァルディにも見当たらない。そもそも「カノンとジーク」という組み合わせもパッヘルベルでは唯一のものだ。
あまりに有名なのにさまざまな点で例外だらけな作品だ。
オーケストラからメンバーを探すとなるとヴィオラは退屈だ。オリジナルになかったパートを弾かされることになる。通奏低音のチェンバロ奏者が数字譜を見て即興で付ける音をピチカートでやらされたりという理不尽も付きまとう。かといって3つめのヴァイオリンのパートをヴィオラで弾くとなるとこれが割と厄介だったりもする。見せ場で第4ポジションになるのが厳しいところだ。思い切ってヴァイオリンへの持ち替えのほうがましだ。
「3本のヴァイオリンと通奏低音」のレア度ありがたみを味わうには有名になりすぎた。
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