クォドリベット再考
ゴールドベルク変奏曲の第30変奏として名高い「クォドリベット」は、一般に「既存の複数の旋律を同時に歌うこと」とされている。確かにそうなのだろうが、注意も要る気がしている。
記事「カノンコード」で述べたように、パッヘルベルのカノンのコード進行がJ-POPの世界ではヒットメークの打ち出の小づち状態だともうわさされている。数十曲とも言われている。
つまり、それら数十曲は、「パッヘルベルのカノン」とただちに「クォドリベット」化することが可能だということに他ならないし、同時に数十曲の壮大なギネス狙いもありうる。
これなど「クォドリベット」の定義から外したい気がする。氏素性の違う複数旋律が、思わぬところでハモルというサプライズこそが珍重されるべきで、柳の下のドジョウ狙いのカノンコード依存は、ハモって当たり前なのでありがたみが一段落ちる。
グノーの「アヴェマリア」は、バッハの平均律クラヴィーア曲集のハ長調プレリュードとハモるんですよと、言われても「クォドリベット」認定は出来まい。
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