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2019年3月11日 (月)

蘇演記念日

1829年3月11日ベルリン、若冠20歳のメンデルスゾーンの指揮により、バッハの「マタイ受難曲」が蘇演された。この日取りが東日本大震災の日ということのほかにも、もう1つ大きな意味がある。ライプチヒにおけるバッハ自身の指揮による初演からちょうど100年後の記念日に相当するからだ。

メンデルスゾーンは、総勢158名の合唱を含む大所帯を率いて準備したばかりではなくジンクアカデミーの演奏会場の借用費50ターラーを自腹を切って負担した。歌手たちの中には出演料の受け取りを辞退したものもいた。チケットは数週間前に売り切れ、1000人が入場を断られたという。
一方、完全な上演に4時間を要する大作だけに、当時の聴衆への受けを心配したメンデルスゾーンは、大胆なカットを決断した。後世の愛好家専門家の間では物議をかもすことになるが、当時は誰からも批判されていないことは考慮に値するだろう。
公演は圧倒的な成功を収めた。すぐに再演が企画されちょうど10日後と決まった。つまり再演の日はバッハの誕生日3月21日だということだ。

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