ハンブルク愛
弦楽合奏用の舞曲の集合体が「シンフォニア」と命名されることがテレマンの作品の中で見かける。本日話題の2曲もそのパターンだ。
一つ目は「ハンブルクの潮の満ち干」というタイトル。ハンブルクの海の描写だが、同地の海上保安隊の発足100周年記念の作曲という機会音楽でもある。
今一つが「アルスター」という題名。こちらはハンブルク郊外の湖の名前だ。
テレマンがハンブルクで活躍した作曲家であるから、とても自然だ。ブラームスがこれらを知らなかったとは考えにくい。ブラームスはハンブルクの名誉市民に選ばれたとき、当時のハンブルク市長に作品を献呈したことがあるけれど、ここまであからさまなハンブルク愛の発露はなかった。
何よりも洒落て気が利いた小曲の集まり。バッハと同時代を生きながらどうしてどうして曲想は対極にある。
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