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2019年4月30日 (火)

バロック特集総集編⑧

バロック特集総集編2019年3月~4月分をお届けする。

  1. 03月01日 人よ汝が罪の
  2. 03月02日 キリストは死に繋がれしか
  3. 03月03日 バッハ記事283本
  4. 03月04日 神のみ心は
  5. 03月05日 心から愛しまつるイエスよ
  6. 03月06日 井戸振り見えろ
  7. 03月07日 マニフィカトフーガ
  8. 03月08日 アポロンの六弦琴
  9. 03月09日 高きには栄え  
  10. 03月11日 蘇演記念日
  11. 03月12日 ヴィオラ六重奏のためのカノン
  12. 03月13日 ペイヒェルベ
  13. 03月14日 テレマン
  14. 03月17日 ハンブルク市音楽監督
  15. 03月18日 ガリヴァー組曲
  16. 03月19日 Wassermusik
  17. 03月20日 アルスター序曲
  18. 03月21日 悩み多き3月
  19. 03月22日 ハンブルク愛
  20. 03月24日 輝きこの日
  21. 03月25日 TWV51:G9  
  22. 03月26日 ガンバ協奏曲
  23. 03月27日 ドンキホーテのブルレスケ
  24. 03月28日 無理もないが
  25. 03月29日 コレギウムムジクム
  26. 03月30日 テレマンの一週間
  27. 03月31日 無伴奏チェロのためのファンタジー
  28. 04月03日 TelemannischeGesangebuch
  29. 04月04日   リコーダー
  30. 04月07日 4つのヴァイオリンのための協奏曲
  31. 04月08日 ミシシッピ株
  32. 04月09日 序曲「証券取引所」
  33. 04月10日 テレマン鍵盤楽器作品全集
  34. 04月11日 装え我が魂よ
  35. 04月12日 楽譜あってこそ
  36. 04月13日 テレマンの方針
  37. 04月14日 二声ということ
  38. 04月15日 無伴奏ガンバのためのファンタジー
  39. 04月16日 テレマンヴァリエーション
  40. 04月17日 4つのヴィオラのための協奏曲
  41. 04月18日 BWV231
  42. 04月19日 ト長調二重協奏曲
  43. 04月20日 二重登録
  44. 04月21日   誉め方の作法
  45. 04月23日 誕生日不明
  46. 04月24日 ヨハンクリストフ
  47. 04月27日 ニコラウスブルーンズ    
  48. 04月28日 調性のプラン
  49. 04月29日 BuxWV263
  50. 04月30日 本日のこの記事

2005年5月30日の開設以来、更新を途切れさせることなく、平成を記事で埋め尽くすことが出来た。これにて陛下の退位を謹んでお待ちするばかり。

 

2019年4月29日 (月)

BuxWV263

「BuxWV」とはブクステフーデの作品目録番号の略称だ。その263はトリオソナタイ長調op2-5である。正確に申すなら「ヴァイオリンとヴィオラダガンバのためのソナタ」だ。今とても気に入っている。ヴァイオリニストをキーに所有しているCDを列挙する。

  1. ジョン・ホロウェイ
  2. カルラ・マロッタ
  3. 桐山建志
  4. 木村理恵

心地よくはずむリズムで始まる。どんな演奏でも10分程度の長さ。本当に心躍る。

 

 

2019年4月28日 (日)

調性のプラン

ブクステフーデのヴァイオリンとヴィオラダガンバのためのソナタop1とop2だ。どちらも7曲で構成されている。

<作品1>1694年

  1. ヘ長調
  2. ト長調
  3. イ短調
  4. 変ロ長調
  5. ハ長調
  6. 二短調
  7. ホ短調

<作品2>1696年

  1. 変ロ長調
  2. ニ長調
  3. ト短調
  4. ハ短調
  5. イ長調
  6. ホ長調
  7. ヘ長調

という具合だ。作品1を構成する各曲の主音をつなげると、Fdurの音階になる。だからしきたり通りの6曲構成では具合が悪いのだ。よくよく見ると「op2」の側も主音に重複がない。最後には元のヘ長調に戻る。ヘ短調と変ロ短調というフラットてんこ盛りの調を避けている以外は、op1とop2で長短がすり替わる。

こういうのを「調性のプラン」というのだろう。平均律クラヴィーア曲集やインヴェンションに通じるものがある。ブクステフーデを尊敬していたバッハはおそらく知っていただろう。

この中ではop2-5イ長調がお気に入りだ。

 

 

 

 

2019年4月27日 (土)

ニコラウス・ブルーンズ

ニコラウス・ブルーンズ(1665-1697)は、ブクステフーデ最高の弟子として知られている。足鍵盤を用いて両足でバスのパートを弾きながら、ヴァイオリンを演奏したという伝説がある。32歳の若さで世を去った上に、即興演奏が達者だったこともあり、作品は5つしか残されていない。

  1. 前奏曲 ホ短調
  2. 前奏曲 ト長調
  3. 前奏曲 ホ短調
  4. 前奏曲 ト短調
  5. コラール「来たれ異教徒の救い主よ」

特に5番目の「来たれ異教徒の救い主よ」は、バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベルが採用している。聴き比べても何ら遜色がない。ブクステフーデとの師弟比較も楽しい。

2019年4月26日 (金)

大ハーフタイムショウ

昨日の記事が2033年5月7日のブラームス生誕200年まで、毎日更新を貫く際の折り返し点だった。平成が終わる5日前に中間点を迎えるということはなかなかの奇遇だ。

ブログ「ブラームスの辞書」史上最大の企画「バロック特集」の期間を延長したおかげで、折り返しの日が、「バロック特集」の期間内に到来することとなった。会期にして1年8か月、本数にして500近い記事の企画が、図らずもブログ「ブラームスの辞書」のハーフタイムショウとなる。

すでにしれっとブクステフーデに話題転換されている。

 

 

2019年4月25日 (木)

大折返し点

2005年5月30日に創立したブログ「ブラームスの辞書」は、2033年5月7日のブラームス生誕200年記念日まで毎日、欠かさずに記事を更新することを目標にしている。達成には10252本の記事が必要になる。

本日のこの記事は開設以来5126本目の記事だ。つまり記事の数の上でちょうど中間ということになる。

5126本の記事を毎日堆積させてなお、全行程の半分でしかないという壮大感が、苦しくも心地よくもある。

 

 

2019年4月24日 (水)

ヨハン・クリストフ

ブクステフーデの作品が、現代まで伝えられていることは奇跡的である。本人の自筆譜は残っておらず、他者による筆写譜が頼りである。当代随一の巨匠と目されていただけのことはある。

その筆写者の一人にヨハン・クリストフ・バッハがいる。BuxWV137やBuxWV163など、現代ブクステフーデの傑作と評価されている2作品は、唯一ヨハン・クリストフの筆者譜がよりどころとなっている。ヨハンクリストフの筆写譜がなかったら埋もれていたということだ。ヨハン・クリストフは、両親の没後、幼い末弟ヨハン・ゼバスチャンを引き取って養育した。そこでバッハは兄の蔵書になっている楽譜を参照したり、隠れて写譜したとされている。

一族には同姓同名もいるので、用心も必要だがバッハ最初のブクステフーデ体験になっていたかもしれない。

 

 

 

 

2019年4月23日 (火)

誕生日不明

音楽史上の相当な有名人でも、誕生日がわからない人は多い。死没の日は有名になってからなので比較的記憶されやすいが、生まれた日はそうもいかぬようだ。大抵は生地の教会の受洗記録から類推されて、おおまかに誕生日が推定できるものだ。

ブクステフーデは、1637年頃父の任地で生まれたはずくらいの情報しかない。

 

2019年4月22日 (月)

ErdbeeneStrasse

イチゴ街道のことだ。

昨日母と平成最後のドライブに出かけた。次女も同行した。退屈していたセバスチャンも連れ出した。

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たまらん!
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イチゴ街道のどん詰まりにあるカフェでもまたイチゴ尽くし。
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満足げなセバスチャンだ。

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2019年4月21日 (日)

誉め方の作法

使っている側に悪気が無いだけに厄介だ。作曲家Aを論ずる中に現れる「AはB以前で最も重要な作曲家である」という表現だ。Aは作曲家の名前が入るが、Bは作曲家だったり時代名だったりするのだが、とりわけ作曲家名だった場合、注意が要る。

大抵はAさんをプラスに評価する文脈の中に現れる。個人のブログの感想ではなく、きちんとした解説書の中にだって現れる。Aにブクステフーデ、Bにバッハを代入してみよう。「ブクステフーデはバッハ以前で最も重要な作曲家である」というよく見る文章になる。ここでブクステフーデはバッハに先行するオルガンの大家として演奏と作曲の両面で高い評価を与えられていると見ていい。ところがだ。

ところが、「これはバッハよりは劣るけれど」というニュアンスを濃厚に含む。Aにパッヘルベルを代入しても同じことだ。

信じ込んでいた。最近ブクステフーデやパッヘルベルのオルガン作品に親しんでみると、違和感を感じる。「高い高いバッハの評価ありき」の言い回しではないのかと痛感する。それが学会の通説だと言われれば仕方ないが、普通に「パッヘルベルやブクステフーデはバッハの一世代前の素晴らしい作曲家だ」あるいは「バッハと遜色がない」と言えばいい。使う側は無意識かもしれぬが、ブクステフーデやパッヘルベルへの上から目線さえ感じる。そうまでして持ち上げなくてもバッハは十分素晴らしい。

テレマンの評論に現れる「当時はバッハより有名だった」や、CPEバッハについて言われる「当時はバッハと言えばカールフィリップエマニュエルだった」も同じ香りがする。

ぜーんぶ誉め言葉のつもりだけに厄介だ。最近なんだか違う気がしてきた。ブラームスに訊いてみたい。

2019年4月20日 (土)

二重登録

一つの作品が、複数の作曲家の作品一覧に掲載されていることがある。作曲家の知名度は様々あり得るが、後世の研究家によって、作品一覧と作品番号に体系が整備されているくらいの大作曲家どうしということになると珍しくもある。

  • バッハBWV824→テレマンTWV32:14 組曲イ長調
  • バッハBWV832→テレマンTWV32:18 パルティアイ長調

上記2作品はそれぞれ、バッハの作品一覧にもテレマンの作品一覧にも掲載されている。どちらもチェンバロ組曲だ。チェンバロ独奏用の舞曲の集合体。現代の通説は、上記1番はテテレマン作、2番はバッハ作としている。

話の流れとしては、バッハ研究の深まりが先にあり、そこでBWV番号が付与されたのちに、テレマンの作品目録が整備される過程で、テレマン側の番号が発番されたというパターンか。19世紀に入り作曲家の体系的研究の先頭を走ったのがバッハだから、そう推定できる。

二人は同時代人。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年4月19日 (金)

ト長調二重協奏曲

春秋社刊行の「バッハ キーワード辞典」の322ページ。第33章が「演奏者」と題されて立ち上がる。バッハ本人の演奏者としての切り口が、丁寧に掘り下げられる。この中の324ページから「共演」と銘打たれて「バッハと誰かさんの合奏」が取り上げれられる。325ページ中段から興味深い記述がある。

1709年ワイマールでの出来事だ。同地宮廷オルガニストだったバッハをピゼンデルが訪問した。ドイツ人最高のヴァイオリニストを迎えてバッハとアンサンブルを楽しんだとされている。演目が「テレマンの2つのヴァイオリンのための協奏曲ト長調」だと断言されている。

バッハとビゼンデルがソロを務めるテレマンの二重協奏曲とは相当なご利益だ。

さてとばかりにテレマンの作品目録をあたると途端に狼狽する。

  1. TWV52:G1
  2. TWV52:G2
  3. TWV52:G3

テレマンが残した2つのヴァイオリンのための協奏曲でト長調のものが上記の通り3つ存在するからだ。我が家にCDがあるのはこのうち上記3番目だけだ。どの曲か特定出来たら話が盛り上がるのにもったいない。24歳のバッハと21歳のピゼンデル、はたしてどちらが1番ヴァイオリンを担当したのか。

2019年4月18日 (木)

BWV231

ミサ以外のポリフォニー宗教曲と定義されるモテット。バッハにはBWV225から230までの6曲に加えBWV118もカンタータと誤認されたモテットとされている。

BWV231「Sei lob und Preis mit Ehren」は、バッハ作とされてたのだが、その後の研究でバッハのカンタータ28番の第2曲を基にテレマンがモテットに仕立てたものと判明した。バッハのモテット集と謳ったCDでも収載を見送られていることが多い。同時代を生きたバッハとテレマンの接点としての意義は大きいと思う。

2019年4月17日 (水)

4つのヴィオラのための協奏曲

ショップをうろついていて、テレマンのヴィオラコンチェルトという文字が目についGdurという調も書かれてあった。なぜかテレマンの作品目録番号が添えられていない。テレマンのト長調ヴィオラ協奏曲だと思って買い求めた。帰宅して再生するとびっくり。「4つのヴァイオリンのための協奏曲」のヴィオラ版だった。案の定5度下げられている。全4曲あるのだけれど、下記の2種だけ収録されている。

  1. TWV40:201 ト長調 →ハ長調
  2. TWV40:202 ニ長調 →ト長調

ああ、楽しい。4人のヴィオラ弾きは以下の通り。

  • Konstantin Sellheim
  • Dirk Niewoener
  • Burghard Sigl
  • Julio Lopez

ミュンヘンフィルのメンバーだ。

2019年4月16日 (火)

テレマンヴァリエーション

「テレマンの主題による変奏曲」op134はマックスレーガーの1914年のピアノ独奏作品。主題はターフェルムジーク第3集変ロ長調序曲のフィナーレ第7曲のメヌエットだ。2本のオーボエと弦楽合奏という編成だ。

ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲」op24の延長線上に置かれている感じがする。変ロ長調という調が共通する他、エンディングにフーガを据える点が一致する。

 

 

 

 

2019年4月15日 (月)

無伴奏ガンバのためのファンタジー

テレマンのお話。無伴奏楽器のために作品を残している。ヴァイオリンやフルートのための作品が名高いのだが、実は今世紀に入って「無伴奏ヴィオラダガンバのためのファンタジー」の楽譜が発見されたらしい。

ひょんなことからそのCDを入手した。ガンバ独特のモワっとした感じに慣れさえすればとても親しめる。

なにせテレマンの作曲数は膨大で、まだまだ新発見が後を絶たないという。

 

 

 

 

2019年4月14日 (日)

二声ということ

テレマンのコラール前奏曲が二声と三声に編曲されていると書いた。二声は、バッハの同種の作品を聴き慣れている耳にとってはすっきりした印象になる。

例えばTWV31:20

 

20180330_071410_3
「二声」というともっともらしいが、2つの声部のうちどちらかはコラールの定旋律であることを考えると、単純な伴奏と旋律ととらえなおすことができる。例示したBWV31:20は、定旋律が終始右手側に置かれているから一段とシンプルだ。

テレマンのコラール前奏曲、とりわけ二声バージョンは、「旋律と伴奏」という枠組みで理解できる。次の世代古典派の先取りとも受け取れる。

 

 

 

 

2019年4月13日 (土)

テレマンの方針

この程、入手したテレマンの「鍵盤楽器作品全集」の中、TWV31:19-20を背負ったコラール前奏曲「Schmuecke dich,,o liebe seele」(装え我が魂よ)があってブラームスの」op122-5と比較できると書いたばかりだ。バッハに比べてテレマンはサクサク耳に入ると感じた。TWVV31:19とTWV31:20が同コラールをベースにしているのだが、楽譜を見てさらに理解が深まった。まずはTWV31:19

20180330_071419
続いてTWV31:20

20180330_071410_2
バッハとの違いというなら、足鍵盤のパートがないから、楽譜が2段で収まっているのがすぐに目に付く。さらによく見ると、TWV31:19 は三声である一方、TWV31:20はニ声になっている。バッハのコラール前奏曲は四声であることが多い。まれに五声になることもあるくらいだ。テレマンは24のコラールに基づく48のコラール前奏曲を書いたと言える。24曲すべてについて、三声と二声に編曲しているから48になる計算だ。



2019年4月12日 (金)

楽譜あってこそ

やはり楽譜は見てみるものだ。テレマンの鍵盤楽器作品全集のCDを買い求めて聴いているうちに楽譜が見たくなった。行きつけの古書店であっけなく購入した。

20180329_194726
見ての通りの格調高いベーレンライター版で、収載は以下の通り。

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CDのブックレットには「48のコラール前奏曲」となっているのに全部で24曲しかないなどどへこみかけていたが、よくよく見ると一つのコラールに2種類の編曲がある。だから「48のコラール前奏曲」とされていたということだ。涼しげな整合性で気持ちがいい。難を申せば、所有するCDの収録順と違うということくらいか。


 

 

2019年4月11日 (木)

装え我が魂よ

ブラームス作品番号の最大値「122」を背負う「オルガンのための11のコラール前奏曲」の5番目に「Schmuecke dich,o liebe seele」(装え我が魂よ)がある。バッハのBWV654も同じコラールがベースになっており、メンデルスゾーンやロベルト・シューマンも気に入っていた。

この程ほくほくと入手したテレマンの「鍵盤楽器作品全集」のブックレットを見て驚いた。TWV31:19-20を背負ったコラール前奏曲が、同じ「Schmuecke dich,,o liebe seele」(装え我が魂よ)をベースにしていた。

聴いてみて驚きは感動に変わった。ブラームスのコラール前奏曲に近い。オリジナルの旋律が素人にも聞き取れる。装飾がシンプルでサラリと耳に入る。ブラームスよりはずっとリズミックで楽しい。バッハのBWV654は、オリジナルのコラール定旋律が長い音符に割り付けられているので慣れないと旋律を聞き取れない。素人を多数含む会衆への旋律の提示として疑問が残る。コラールに直接触れ合うならカンタータ180番のフィナーレ第7曲の方がおすすめだ。

三人の中で一番律儀なのはブラームスかもしれない。

同じコラールで、バッハ、テレマン、ブラームスがわくわくと比較できる。

 

 

 

 

2019年4月10日 (水)

テレマン鍵盤楽器作品全集

折角ブラームスがオルガン用コラール前奏曲を残してくれたのだから、それらをバロックの先輩作曲家たちの作品と比較したくてCDを集めている。

作曲家兼オルガン奏者という位置づけにある人たち、バッハ、パッヘルベル、ブクステフーデとオルガン作品全集が集まり、ブックレットから情報を吸い上げている。このほどテレマンにありついた。ご承知の通りテレマンは多作家で、ありとあらゆる楽器を用いて膨大な数の作品を残しているのだが、世の中に流布するCDとしては、相対的にオルガンやチェンバロ用の独奏作品は手薄だが、鍵盤楽器独奏作品全集を入手した。チェンバロとオルガン用独奏作品が網羅されて5枚組だ。

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特にオルガンだ。音色の使い方がバッハとは違う。リコーダーが入ってるかと思ったりトランペット風だと感じたりいろいろ多彩だ。オルガン特有の壮大感、音圧という部分はあまり強調されない。その点、バッハ、パッヘルベル、ブクステフーデなどの教会専属のオルガニストたちとはまた感じが違う。テレマン独特のタッチとでも申すべきなのだがちっとも伝わるまい。コラールベースの作品の場合、コラールの旋律を中音域ではっきりと示す一方で、細かで特徴ある音形リズムパターンで主旋律を刺しゅうするかのようだ。フーガなどオルガン自由曲は、文字通り相当自由で、1曲の短さが目立つ。

久々のよい買い物。

 

 

2019年4月 9日 (火)

序曲「証券取引所」

1721年にフランスを襲ったミシシッピ株にまつわるバブル崩壊事件当時、テレマンはフランクフルト在住だった。テレマンも関与するコレギウムムジクムの主催者でもあったフラウエン協会の居館の一角に居住するテレマンだったが、その一階に証券取引所が入居していた関係で、証券取引所を描いた合奏組曲を作曲していた。作品番号で申すなら「55:B11」だ。フランス語で「La Bourse」と綴られ「証券取引所」の意味である。下記6楽章で構成される。

  1. 序曲
  2. 破られた平安
  3. 平和のなかの戦い
  4. 制した者たちが制されるとき
  5. 社交の中の孤独
  6. ミシシッピ株への期待感

合奏組曲だから冒頭の序曲を除いて、タイトルはともかく実質的には舞曲だ。

証券取引所に集う人々の悲喜こもごもが描かれている。フィナーレにはっきりと「ミシシッピ株」が現れる。いやいや当時は笑えなかったはずだ。仮に組曲「リーマンショック」だったらとご想像願いたい。

 

 

2019年4月 8日 (月)

ミシシッピ株

1717年からおよそ3年間フランスを舞台に続いたバブル経済の主役となった会社でアメリカ・ミシシッピ流域の開発をもくろむ会社の株が実態を伴わぬ高騰の果てに破綻した。背景にはフランス王室の巨額債務があった。フランスの事件とはいえ、当時も金融の中心だったフランクフルトなど隣国ドイツにも影響があった。

1712年から1721年まで続くテレマンのフランクフルト時代におさまる。この時期テレマンはフラウエンシュタイン協会のコレギウムムジクムに関与していた。

 

 

 

 

2019年4月 7日 (日)

4つのヴァイオリンのための協奏曲

「4つのヴァイオリンのための協奏曲」といえばヴィヴァルディの調和の霊感op3-4を背負ったホ短調が名高い。編成は言わずもがな、独奏ヴァイオリン4本に通奏低音を伴う弦楽合奏だ。テレマンの「TWV54:A1」を付与されたイ長調コンチェルトがこの編成だ。

ところが「TWV40:200」からの4曲もまた「4つのヴァイオリンのための協奏曲」扱いになっている。作品番号の若い順にト長調、ニ長調、ハ長調、イ長調だ。ヴィオラの解放弦の順番を少々いじったようにも見える。

さらに決定的に興味深いのは楽器編成だ。本当にヴァイオリン4本だけなのだ。弦楽合奏はおろか通奏低音さえ伴っていない。実際に聴いてみると事実上の「ヴァイオリン四重奏」だ。コンチェルトの語感につきまといがちな超絶技巧感はない。ここいらの品ぞろえ豊富なところが多作家テレマンの醍醐味だ。

2019年4月 6日 (土)

やはり「ふくだもな」

命日のコンサートの余韻。避けて通れぬ話題に言及しておく。ふくだもな五重奏団 のことだ。

あの日、ピアノ五重奏曲を聞き終えて思ったのはやはり6年前の次女たちの演奏。高2の次女が高校オケのトップ奏者たちと組んでアンサンブルコンクールに挑んだ第三楽章 の記憶。実は命日のコンサートは、あのコンクール 以来のピアノ五重奏の生演奏だった。女子5人組ながらほぼ日本最高のメンバーが同じ作品を目の前で弾いてくれる幸運を喜んだ。第三楽章では次女が弾いたセカンドの小川先生にばかり目が行った。きっちりと第一ヴァイオリンに寄り添っていればいいわけでもない微妙な難しさ満載。達者なピアニストが、弾け過ぎて弦が劣勢だった演奏には小山先生の魔法が必要だった。

演奏後に私が吐いた溜息の深さだけは次女たちの演奏のときとと同じだった。

オケフェス後、たった10日で挑んだ迫真の暗譜演奏に親ばか補正がかかって脳内殿堂入りの演奏だったはずが、「ここまでおいで」とダメ出しされた感じ。そこで示された作品の奥行きにただ舌を巻いた。

親ばか上等ではないか。コンクールにあの五重奏からスケルツォを選ぶという志の高さをやはりほめてやりたい。今になって泣ける。

 

2019年4月 5日 (金)

わざとか

一昨日、ということはつまり4月3日、ブラームスの命日に演奏会に出かけた。東京文化会館小ホール。川本嘉子先生のコンサート。ブラームスの室内楽チクルスの6回目。プログラムは下記の通り。

  1. ピアノ三重奏曲第1番ロ長調op8(ヴィオラ版)
  2. FAEソナタ(ヴィオラ版)
  3. ピアノ五重奏曲ヘ短調op34

ほんとにブラームスお好きなんだなあ思うばかり。上記1も2も通常ヴァイオリンのパートをヴィオラで弾いてしまうという趣向。特に1は我が家にこの編成のCDがない。上記2だってたった1種類しかない。ピアノは小山実雅恵先生をお迎えしているばかりか、ヴァイオリンには先般ニ短調のソナタを聞かせてくれた竹澤先生だ。竹澤先生をお呼びしながら出番は五重奏にしかないという贅沢三昧だ。全部大好きな曲、そしてこのメンツならばと奮発したS席のお値段が5700円なのは、ブラームスの誕生日5月7日に因んでいると思う。わざとに違いない。。

さてさて、つくづく興味深いトリオは、意外なほどあっけなく始まった。この日の小山先生のピアノには終始「聞こえているのに邪魔じゃない」という魔法がかけられていた。ほどなくかぶってくるチェロも、ヴァイオリンから差し替えられたヴィオラも、拍子抜けするほど自然だった。ヴァイオリン版と見分けがつかぬ。川本節の炸裂は第二楽章スケルツォの中間部を待たねばならなかった。予想通りの場所でほほえましかった。

FAEソナタは、もはや「自家薬籠中」の域だ。意図された解放弦の響きがとてもチャーミングだ。やはり聞かせどころはここでも中間部。4分の2拍子に転じるフレーズがピタリとはまる。コーダで回想されるときのために塗り残しておく余裕が感じられた。

休憩後、クインテット。

弦楽器4名の椅子がやけに固めて置いてある感じ。「本当は私がFAE弾きたかった」オーラが見え隠れする竹澤先生。第一ヴァイオリンに譲ると見せて、ところどころ見せ場をちりばめるブラームスのご配慮に川本先生がさりげなく応じる。最初の川本節炸裂は第二楽章に第二主題だったと記憶する。ああそしてスケルツォ。チェロのピチカートのとき、竹澤先生と川本先生が身をかがめんばかりにしている。クレッシェンドとともに段々背筋が伸びていく様は、花開く瞬間のよう。このヴィジュアルやはり生で聴くに限るなとつくづく。そしてフィナーレ。ずっとアンサンブルを引っ張てきたチェロ向山先生が、またまた精緻な序奏を先導する。本当はチェロのための曲なんだよと。コーダに入ったところで「もう終わりか」と思った。

素晴らしい夜。バロック特集が1年3か月経過し、バロック漬けになった脳みそに「やっぱブラームスでしょ」とばかりにしみ込んできた。

 

2019年4月 4日 (木)

リコーダー

小学校の音楽の時間にテストがあったせいかトラウマになっていて、バッハのブランデンブルク協奏曲の4番には華麗な出番があるにも関わらず今一つ親しめなかった。

ところが風向きが変わった。

またまたビオンディである。テレマンのトリオソナタのCDだ。ヴァイオリンとリコーダーのためのトリオソナタ。ブリリアント社のグッドジョブ。トリプラコンコルディアというアンサンブルとビオンディが共演している形。2枚組のうちのDISC1がヴァイオリンとリコーダーでDISC2はオーボエとリコーダーだ。そういえばテレマンは、いくつかの楽器を演奏できたらしいが、リコーダーは名人だったといわれている。

細かいことはおいて、聴いてみる。

  1. ニ短調 TWV42:d10
  2. イ短調 TWV42:a1
  3. ヘ長調 TWV42:F8 元はフルートとヴァイオリン
  4. ヘ短調 TWV42:f2 元はフルートとヴァイオリン
  5. イ短調 TWV42:a4
  6. ヘ短調 TWV41:f1 リコーダーと通奏低音

基本的には緩急交代の妙を味わう構造。急の部分ではヴァイオリンとリコーダーの丁々発止のかけあいが楽しい。キリリ、キビキビ、ノリノリだ。ライブレコーディングだということでまた驚かされる。バッハとははっきりと違う味わいといいたいこところなのだが、この違いが作曲家起因なのかビオンディの個性なのか見極めきれていない。

 

 

 

 

2019年4月 3日 (水)

Telemannisches Gesangebuch

2013年に発売された恐るべきCDだ。

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1730年にハンブルクで刊行された「テレマンの賛美歌集」の実演である。当時帝国自由都市ハンブルクの音楽総監督の立場にいたテレマンの影響力は、5つあったプロテスタント派教会にも及んでいた。テレマンはハンブルク地区で歌われる賛美歌の収集整理出版にいそしんでいた。その数2000賛美歌500旋律に及んでいたという。その中から厳選30曲が「テレマンの賛美歌集」として刊行されたということだ。

見ての通り、ずっしりと重みあるジャケット。共通するコラールを多く含みながらバッハとは別の曲想。

なんとなれば今日はブラームスの命日だ。

2019年4月 2日 (火)

三代を生きる

昨日町内会役員の引継ぎがあった。母は後任者への引継ぎを9時30分からにセットした。新元号発表前に引継ぎを終えるためだ。役目をきっちりと果たして、新たな気持ちで発表の瞬間を待ちたいということだったらしい。母の母、つまり私の祖母譲りの性格だ。その祖母は明治生まれだ。共働きの両親に代わって日常的に私の面倒を見ていた父方の祖母もまた「明治の女」であった。私が幼かったころ周囲には「明治大正昭和」を生きた人がたくさんいた。母は「これで私も昭和平成令和を生きることになる」と感慨深げだ。まだまだと気を引き締める母を見て力をもらった。

 

2019年4月 1日 (月)

町内会役員

10年に一度町内会の役員が回ってくる。世帯としてお引き受けし近隣10世帯のまとめ役となる。その役回りは配布物のお届け、回覧板の発信回収、町内会費の集金、町内会イベントへの参加などだ。

我が家での分担は、役員会などイベントに参加するのは私になっているが、その他配布物や回覧板の発信は、母が昼間に済ませている。町内会費も4月と10月に全世帯を母が訪問して回収した。

面白かったのは9月の敬老会。事前に75歳以上の家族の有無を各世帯に調査する。わが班10世帯中、対象者はたった一人、つまり母だけだった。母自身がその調査のアンケートを収集集計し報告した。「決まり悪い」といいながら、締め切り1週間前に仕上げていた。

昨日をもって1年間の任期を終えた。「次回10年後はさすがに私はできない」とカラリと笑い飛ばした母だが、ロンドンのブックメーカーにオッズを訊いてみたい。

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