4つのヴァイオリンのための協奏曲
「4つのヴァイオリンのための協奏曲」といえばヴィヴァルディの調和の霊感op3-4を背負ったホ短調が名高い。編成は言わずもがな、独奏ヴァイオリン4本に通奏低音を伴う弦楽合奏だ。テレマンの「TWV54:A1」を付与されたイ長調コンチェルトがこの編成だ。
ところが「TWV40:200」からの4曲もまた「4つのヴァイオリンのための協奏曲」扱いになっている。作品番号の若い順にト長調、ニ長調、ハ長調、イ長調だ。ヴィオラの解放弦の順番を少々いじったようにも見える。
さらに決定的に興味深いのは楽器編成だ。本当にヴァイオリン4本だけなのだ。弦楽合奏はおろか通奏低音さえ伴っていない。実際に聴いてみると事実上の「ヴァイオリン四重奏」だ。コンチェルトの語感につきまといがちな超絶技巧感はない。ここいらの品ぞろえ豊富なところが多作家テレマンの醍醐味だ。
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