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2019年5月31日 (金)

怒涛の横展開

バッハのオルガン自由曲をBWV番号順に収録したプライヴェートCD集6枚組を作った。手持ちCDの中から選りすぐりの演奏を集めた70トラック5時間半の大作。出来るだけたくさんの奏者、出来るだけたくさんのオルガンで聴けるよう配慮した。楽しいパズルだった。

同じコンセプトでブクステフーデもやってみた。

BuxWV番号136から176までと225がオルガン自由曲で、CD4枚組3時間半となった。

製作の準備にと手持ちCD収められたブクステフーデのオルガン自由曲のリストを作った。楽しみの半分はこの準備にある。オルガニストたちの好みがどの曲に集中しているかたちまち判明する。

2019年5月30日 (木)

調の選択肢

曲数6を内蔵する8つの曲集の話をする。バッハの作品の話だ。

  1. オルガンのためのトリオソナタ 525~530
  2. イギリス組曲 806~811
  3. フランス組曲 812~817
  4. パルティータ 825~830
  5. 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ 1001~1006
  6. 無伴奏チェロ組曲 1007~1012
  7. ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 1014~1019
  8. ブランデンブルク協奏曲 1046~1051

これらを構成する各々の曲の調性をカウントする。

  1. Cdur 3曲
  2. Cmoll 5曲
  3. Ddur 4曲
  4. Dmoll 5曲
  5. Esdur 3曲
  6. Edur 3曲
  7. Emoll 3曲
  8. Fdur 3曲
  9. Fmoll 1曲
  10. Gdur 6曲
  11. Gmoll 5曲
  12. Adur 2曲
  13. Amoll 3曲
  14. Bdur 2曲
  15. Hmoll 3曲

使用されている調は上記15種類。これがすでに驚異的だ。クラヴィーアの教育用作品として名高いインヴェンションとシンフォニアで採用されてる調と完全に一致する。バッハにとっての「常用調」とみるべきだ。

となると唯一のヘ短調ヴァイオリンソナタ第5番BWV1018がやけにまぶしい。

 

 

2019年5月29日 (水)

変ホは不要か

記事「ショートオクターブ」で、オルガンのバス音域で「嬰ハ、嬰ヘ、嬰ト、変ホ」を省略すると書いた。コストの大幅な節約ができるらしい。

バッハのオルガン作品の調性を調べると不審もある。「前奏曲とフーガBWV552」と「トリオソナタBWV525」が変ホ長調になっている。これらの作品を演奏しようと思ったら、低い音域の「変ホ音」は必須だ。また変ロ長調の作品では「下属音」になるから省略は困るはず。

作曲当時バッハ愛用のオルガンがショートオクターブの機構を採用していなかった証拠ともとれる。

パッヘルベルにもP408とP127に変ホ長調があるほか、ブクステフーデにはBuxWV146に嬰へ短調がある。

 

 

2019年5月28日 (火)

ショートオクターブ

記事「調の常用域」で、バッハの調性採用の実態を下記の通りと推定した。

  1. ハ長調 調号無し
  2. ハ短調 フラット3個
  3. ニ長調 シャープ2個
  4. ニ短調 フラット1個
  5. 変ホ長調 フラット3個
  6. ホ長調 シャープ4個
  7. ホ短調 シャープ1個
  8. ヘ長調 フラット1個
  9. ヘ短調 フラット4個
  10. ト長調 シャープ1個
  11. ト短調 フラット2個
  12. イ長調 シャープ3個
  13. イ短調 調号無し
  14. 変ロ長調 フラット2個
  15. ロ短調 シャープ2個

オルガンの構造を調べていたらこれに関連する興味深い話にたどり着いた。オルガン作品が上記の常用域内にとどまる限り、バスの音域には出現しない音が出てくる。例えば「嬰ハ音」だ。上記各調の中で「嬰ハ音」が「主音」になっている調はない。つまり根音にならない。同様に「嬰ハ音」が属音になる調もない。

バスの音域に「嬰ハ音」は不要なら、最低音周辺にわざわざパイプを作らずにコストと重量を減ずるという措置が頻繁に行われていた。同様に「変ホ」「嬰ヘ」「嬰ト」を加えた4音を最低音周辺に限って省略し、空いた鍵盤に「ニ音」「ホ音」を割り付けた。下記の通りだ。

 

20180219_092406
オクターブの幅が白鍵2つ分短くなるので「ショートオクターブ」という。手の小さい人向けではない。どうせ使わない4音をオルガン製作の段階から削除するということだ。低い音を担うパイプは長いのだ。たった4音の省略ではあるのだがパイプの重量的には3割に達することもあるという。コスト、重量、手間を減じるという意味があった。

「調の常用域」と「オルガンの構造」どちらが「ニワトリ」なのだろう。

 

 

2019年5月27日 (月)

調の常用域

バッハは平均律クラヴィーア曲集によって、平均律ならばどんな調でも同じように作曲出来ることを高らかに示したことになっている。作曲にあたっての調性選択の幅が広がったことは間違いのないところなのだろう。しかし、実際に残された作品の数を見る限り「同じように」とは言えない。これは理論上「同じように」作曲出来るということであって、実際の作品が同じ頻度で生み出されることを保証したものではないのだ。フラットやシャープてんこ盛りの作品はけして多くない。

理論と実践は別だとばかりにバッハ自身が常用される調を示している。「平均律クラヴァーア曲集」とならぶ教育的作品の金字塔「インヴェンション」だ。2声、3声とも15の調が選ばれている。下記の通りだ。

  1. ハ長調 調号無し
  2. ハ短調 フラット3個
  3. ニ長調 シャープ2個
  4. ニ短調 フラット1個
  5. 変ホ長調 フラット3個
  6. ホ長調 シャープ4個
  7. ホ短調 シャープ1個
  8. ヘ長調 フラット1個
  9. ヘ短調 フラット4個
  10. ト長調 シャープ1個
  11. ト短調 フラット2個
  12. イ長調 シャープ3個
  13. イ短調 調号無し
  14. 変ロ長調 フラット2個
  15. ロ短調 シャープ2個

調号の数は4個以内。ドミソを弾く際に黒鍵が1個以内という原則に従っていると感じる。変ホ長調だけが例外だ。この15の調がバッハにとっての「常用域」だったと思われる。

ブラームスの作品について言えば大体85%がこの常用域に属している。他の作曲家で調べる元気がないのが残念だ。ブラームスが採用した域外の調のランキングを以下に示す。

  1. 変イ長調 24曲 フラット4個
  2. ロ長調  19曲 シャープ5個
  3. 嬰ヘ短調 15曲 シャープ3個
  4. 変ホ短調 9曲 フラット6個

以下嬰ハ短調、変ニ長調、変ロ短調が7曲で続く。ブラームスにとっての常用域はバッハよりは少し広めのようだ。

2019年5月26日 (日)

自筆譜縛り

バッハのオルガン作品全集には、さまざまな形態があると書いた。BWV番号があればひとまず収載する方針のものから、自作に限るとしているものまでさまざまな方針がある。一方、最近はやりの原典主義を前面に押し出すととんでもないことになる。バッハ自筆譜で伝承されていない作品は認めないとなると特にオルガン自由曲は悲惨だ。

  1. トリオソナタBWV525
  2. トリオソナタBWV526
  3. トリオソナタBWV527
  4. トリオソナタBWV528
  5. トリオソナタBWV529
  6. トリオソナタBWV530
  7. 前奏曲ト短調BWV535a
  8. 前奏曲とフーガト長調BWV541
  9. 前奏曲とフーガロ短調BWV544
  10. 協奏曲BWV596(ヴィヴァルディ)

これだけだ。ざっとCD2枚分だ。

バッハが没した時、ハレのオルガニストだった長男ウィルヘルム・フリーデマンがオルガン作品の楽譜を相続したが、後に生活苦から楽譜を売り払ったためにオルガン作品の自筆譜があまり残っていないと言われている。

 

 

 

 

2019年5月25日 (土)

校訂者ルスト

楽譜屋さんにお取り寄せを頼んでおいた楽譜が届いた。バッハのオルガン作品のうち「前奏曲とフーガ」の全集という謳い文句につられて買い求めた。4か月待ちも苦にならずワクワクと待った。

全集というからにはBWV531から始まる「前奏曲とフーガ」がもれなくBWV番号順に収載されている。写真左。表紙を飾るのはハンブルク聖ヤコビ教会のシュニットガーオルガンだ。右側のものと合わせてオルガン自由曲がコンプリートする。

20190520_221641 

校訂者はウィルヘルム・ルスト。ブラームスがトマスカントルへの就任要請を固辞した際に、代わりにと白羽の矢が立った人物。つまりトマスカントルだ。

 

2019年5月24日 (金)

全集さまざま

オルガニストの夢「バッハオルガン作品全集」は、花盛りと見えて店頭では目移りするくらい見かける。

注意が要るのは「全集」の定義だ。ジャンル別に整理されたBWV番号上525番から769番までと、「クラヴィーア練習曲第3巻」収録のデュエット4曲BWV802~805までをオルガン曲と仮に定義する。これら245曲が全てとはなっていないし、この他にもある。

この245曲には、バッハ本人の作品でないものや、他者の作品をバッハ自身がオルガン用に編曲したものが混入している。逆にBWV番号の枠組みが固まった後に発見されて、バッハ自身のオルガン作品と承認された曲はBWVの1000番台以降に回されている。

  1. バッハ自筆譜の残された作品に限る。
  2. 他人の作品はもちろんバッハ本人の編曲物も排除する。
  3. 他人の作品は排除するものの本人の編曲は認める。
  4. 細かいことは言わずにBWVが付いていれば認める。

「全集」にはほぼ上記の通りの解釈がある。1番の定義だとCD1枚か2枚で収まってしまうのでおいしくなさそうと見えて、この定義は採用されない。同じ全集でも10枚組から16枚組まであるのはこういうカラクりがあるからだ。店頭でブックレットを見るわけにもいかないから、何枚組かでおおよその見当をつけることになる。我が家所有で申すなら。ヴァルヒャさんは上記2で、アランさんは上記3となる。上記4の大盤振る舞いはヤコブさんである。

とはいえ、演奏家によっては「音楽の捧げもの」や「フーガの技法」を収録するようなボーナスもあるので悩ましい。

 

 

 

 

2019年5月23日 (木)

凄い出来事

2019年3月19日の21時過ぎに、見知らぬ人からメールを頂戴した。いわく「この時間になっても本日分の記事がアップされないので体調でも崩されたかと」いう趣旨の文面だった。昨日言及したココログのシステムメンテナンス当日の夜ということになる。管理画面へのアクセスが出来ない48時間の一服の清涼剤となる出来事であった。
そういう風に私のブログを見てくれている人がいるんだという驚きと喜びが交錯する感情に浸った。さらにそれを直接のメール送信という形で表明してくれるというお優しい心に思いをはせた。いただいたメールは長文ながら終始、破綻の無い文章で、丁寧な自己紹介と思いやりが淡々と語られていた。
元より、読まれなくて当然、読んでもらえれば儲けものと心得て、アクセスの増減に一喜一憂することなく、2033年5月7日のゴールを目指すと決意して久しい。がしかし、これはうれしい。まいった。ブログ維持の追い風にしなければならぬ。この力強い追い風を、推進力にするための強い帆が必要だ。

 

 

2019年5月22日 (水)

システム変更の余波

ココログのシステムメンテナンスから2か月経過した。使い勝手が変わってうろたえているのが正直なところ。大きく不便になった点もあるけれど特筆大書するほどのことはない。少々の不便を楽しみと考えるくらいでないと。
この規模のシステムメンテナンスは多分2006年12月以来だ思う。2006年12月7日の記事で言及していた。12年と3か月ぶりだ。その間、記事更新が抜けた日がないというブログは、ココログ内にどれほどあるのだろう。当時48時間管理画面にアクセスできずにハラハラした記憶がある。今回も2日分の記事が公開できなかった。つまりココログのシステムメンテナンス以外の理由で記事の更新が滞ったことがないということだ。
2033年5月7日のゴールまで14年。あと一回システム更新が経験できるということだ。そのときまで毎日更新を続けていようと思う地味なプラス思考の持ち主だ。

2019年5月21日 (火)

頭出しCD集

実を申せば先に紹介した「オルガンインデックス」作成の目的は、こちらだった。バッハのオルガン作品はコラールに起因する作品とそうでない作品に大きく分けられる。後者は「オルガン自由曲」と言われているが、慣れるまでは厄介だ。

コラール起因であれば、歌いだしの一行目がタイトル扱いされる。ドイツ語に慣れてくれば脳内頭出しは容易である。ブラームスの器楽作品であれば作品番号を言われれば冒頭旋律をすぐに脳内呼び出し出来る。全楽章で可能だ。あるいは逆、任意の旋律を聞かされれば作品名と楽章を即答できる。メジャーな声楽作品でも事情は同じであるのに対し、バッハのオルガン自由曲は難解だ。「前奏曲とフーガ」やら「トッカータとフーガ」など似たようなタイトルに調性とBWV番号の羅列となる。脳味噌の反応がブラームスに比べて数段鈍い。

対象はオルガン自由曲だ。BWVで申せば525番から598番まで74曲。525番から530番のトリオ6曲と592番から596番までのコンチェルト5曲は、もう脳内インプットが出来ているから除外する。561、567、571、576、580、581、597の7曲はバッハ本人作でないとか、断片とかでCD収録がないから省くとして総計56曲となる。

これら56曲を一つずつBWV番号順にUSBに取り込む。CDだと1枚に収まらないから媒体だとUSBがいい。自宅でもマイカー内でも簡単に目的の曲にたどり着ける。

2019年5月20日 (月)

オルガン目線

店頭でCDを購入する場合の思考順序に変化が現れた。

  1. 作曲家
  2. 作品
  3. 演奏家
  4. 収録場所
  5. 使用楽器

作曲家切り口で聴きたい方だからこうなる。使用楽器は最も下に来る。無理もない。収録場所でさえ、優先順位は低い。

バロック特集中に経験したドイツ旅行では、教会に出かけてオルガン演奏会を聴いた。帰国後所有するオルガン音楽のCDを取り出して、収録会場と使用楽器を見直した。実際に今回訪ねた教会で見たオルガンの演奏を収めてあるものがいくつかあった。ブックレットに載っている写真が、見たままのオルガンで嬉しかった。

それ以降、店頭オルガン曲売場でCDを手に取ったとき、どこの教会の演奏かを見るようになった。オルガン音楽ならではの視点だ。上記の序列でいうなら、3番の演奏家より、4番5番の方が重要だということだ。オルガンはとりわけ4番と5番が密接不可分だ。

正直言えば、現代の最先端の壮麗な音楽ホールに据え付けられたオルガンより由緒正しい教会のオルガンに惹かれている。

 

 

 

 

 

 

2019年5月19日 (日)

オルガンインデックス

先のドイツ旅行やこの度のバロック特集の影響かオルガン作品への傾倒が止まらない。CDもダラダラと増え続けていて、お気に入りの曲の演奏がどのCDだったか簡単にたどり着けないという現象も起きてきた。そこで一計を案じた。バッハ作品が収められたCDを今一度吟味して「どのCDにどの曲」という情報を管理することとした。名付けて「オルガンインデックス」だ。

ご退位とご即位を心から祝いつつ10連休を有意義に過ごした。

やっていて楽しかったことが第一の収穫。効果のほどは劇的だったがそれらはおいおい紹介する。今後バッハのオルガン作品のCDが増えるたびに更新していく。

 

 

2019年5月18日 (土)

三面鏡

よいたとえを思いついた。テレマン、ブクステフーデ、パッヘルベルはバッハを映し出す三面鏡だ。ただただバッハが好きで、彼のことを知りたい一心で、バッハだけを見つめていると、かえって本質を見落とすと気づきかけている。一歩下がってドイツバロックの一角にバッハを置いてみる。あるいは恐れ多くもバッハをワンオブゼムであると考える。

昨年夏の旅行が契機になった。バッハの他に、テレマン、パッヘルベル、ブクステフーデの墓参を敢行したのはその狙いからだ。彼ら3人を通してバッハを見つめる。

そしてそして必然のオチがある。

三面鏡によって理解が深められるバッハ自身が、ブラームスを映す優秀な鏡だということだ。

 

 

 

 

2019年5月17日 (金)

エキストライニング

お気づきの人がいるかどうか。昨年8月のドイツ旅行の報告記事が今年1月末で終わった後、すぐにパッヘルベル関連記事を連ねた。その後すぐテレマンにまとまった言及をしたと思ったら、矢継ぎ早にブクステフーデを取り上げた。

先の旅行はこの3人にバッハを加えた4名の墓参がテーマだったことを考え合わせると、実は2月以降も事実上の旅行レポートだった。少なくとも心理的にはつながっている。脳みそが熱いうちにとばかりに、バッハ関連記事の濃度が下がるのもいとわなかった。バッハをドイツバロックの大きな背景の中でとらえたいからだ。

パッヘルベルはアイゼナハ在勤中にバッハ家と交わり、バッハの長兄ヨハン・クリストフにオルガンを教えたという。両親なきあとバッハを教えた兄だから、バッハはパッヘルベルの孫弟子だ。テレマンは、バッハから次男のためにミドルネームをと所望された。ブクステフーデを聴きに遥か440kmの道を徒歩で駆け付けたことも知られている。

2019年5月16日 (木)

4つ目の選択肢

黙って三大Bと言えば「バッハ」「ベートーヴェン」「ブラームス」だ。試験に出てもこう書けばいい。ハンスフォンビューローの考案した概念だとされている。本日はこれに続く4人目は誰?というお遊びだ。

ビゼーは有力だ。ドイツではないという突っ込みは覚悟の上だ。バッハ一族、ブルックナー、ベルク、バーバー、バーンスタイン、ベルリオーズ、ボロディン、苦し紛れにビートルズ。

今、私は心からブクステフーデを推したい。

 

 

2019年5月15日 (水)

アーベントムジーク

1678年リューベックのオルガニスト在任中のブクステフーデは、前任者のトゥンダーが創始したアーベントシュピールを発展させる形でアーベントムジークを始めた。日曜日の夕方のお祈りから、市場が開店するまでの間、会衆の退屈を埋める手立てとも見える。

開会は年五回、三位一体節の次とその次の日曜日。待降節の次の日曜日から3回連続の日曜日だ。バッハがはるばる訪れた1705年は12月8日、15日、23日であった。この年は神聖ローマ帝国皇帝の交代の儀式が12月1日と2日に開催され、ここでもブクステフーデが演奏会を仕切ったはずだ。これも聴いたと考えられている。8日にアーベントムジークを聴いたバッハが、翌週とよく翌週も聴きたいと願うのはむしろ自然だ。さらに3度目のアーベントムジークが終われば、翌日はすぐクリスマスイヴとあって、1月6日の顕現祭まで滞在したいに決まっている。アルンシュタットへは2月21日には戻っていた記録があるから、帰国の途についたのは2月に入ってからという可能性さえある。

現地リューベックを訪れた経験から申して、無理もないと思う。

 

 

2019年5月14日 (火)

BuxWV149

ブクステフーデのPraeludium Gmollのお話。8分の12拍子華麗な16分音符の連続でバッハ然と立ち上がる。やがて7小節目からペダルが加わる。

20190330_162448_1
こんな感じ。付点4分音符7個の羅列が「ブクステフーデ」に聞こえて仕方がない。

 

2019年5月13日 (月)

パッサカリア瓜二つ

昨日話題にしたブクステフーデのパッサカリアニ短調BuxWV161の冒頭部分は以下の通りだ。

20190330_162354

一方、バッハにも名高いパッサカリアがある。ハ短調BWV582である。

20190330_162100

ブクステフーデは4小節単位、バッハは8小節単位。調も違えば拍子も違い、共通するのはアウフタウト5跳躍くらいなのに、瓜二つと感じる脳内ブクステフーデ補正が重症だ。

2019年5月12日 (日)

母の日9回分

2011年に次女が高校オケに入部してから、5月の第二日曜がやけに忙しくなってしまい、ゆっくりとお祝いすることが出来なくなっていた。今年は少々の余裕が出来たので、母の日を9回分まとめてお祝いすることにした。我が家の子供たちから見れば、私の母は祖母なのでカーネーションの対象ではない。長女が9歳になったころ「おばあちゃんってパパのお母さんだったんだ~」と驚いていたことがある。毎日おうちにいて世話してくれてるけど、気が付かなかったという。そういや改まって教えていなかった。

築22年少々の我が家の水回りを少々手直しすることにした。新築以来母しか使っていないといってもいいキッチンなどだ。84になろうかという母は、未だにバリバリの主婦で、自分のことが自分で出来るどころか、家事全般を切り盛りしてやまない。「要介護度マイナス5だ」などと自虐ネタにも衰えを見せない。

 

2019年5月11日 (土)

パッサカリアニ短調BuxWV161

ブラームスとブクステフーデの関係を語る上で避けて通れないブクステフーデのオルガン作品。1875年に最初に出版された時の校訂者が、ブラームスの親友で、当代最高のバッハ研究家のシュピッタだった。この時期ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」の作曲とタイミングがあっている。フィナーレにパッサカリアが来ることは周知のとおりだ。

ブクステフーデのパッサカリアニ短調は、自筆譜が失われている。毎度のことだ。バッハの長兄ヨハン・クリストフによる写本によって現代に伝えられている。

作品冒頭低音主題が28回繰り返される。7回ずつ一組の4部構成という端正な設計である。おそらくブクステフーデのオルガン作品としては最も有名な部類に属する。

ああ。何を隠そう、本作の出版をシュピッタに勧めたのはブラームスだった。

 

 

 

 

2019年5月10日 (金)

東京遷都150年

1869年5月9日、明治天皇が東京に着いた。遷都のためだ。昨日はその150年のメモリアルデーだ。おりしも令和改元の8日後だ。ブクステフーデの命日と重なっていなければ昨日の記事になっていたはずの話題である。

そして150年という時間の長さを思い遣る。1600年から1750年までの150年間と定義されるバロック時代と同じ長さが、東京遷都後に流れたということだ。

歴史系音楽ブログを自称するブログ「ブラームスの辞書」として避けて通れぬ話題。

2019年5月 9日 (木)

ブクステフーデ忌

ディートリッヒ・ブクステフーデは1707年5月9日に没した。一昨年没後310年だった。

北ドイツ・リューベック・マリエン教会のオルガニストとして名高く若きバッハが400kmを徒歩で聞きに行ったという。例にもれず19世紀前半のバッハ復興の流れの中で再評価が進んだ。教会所属のオルガン奏者だから作品の中心はオルガンやカンタータなのだが、市民コンサート向けの室内楽もわずかに存在する。

聴いてみて思うのは「ちっとも古くない」ということだ。

 

 

2019年5月 8日 (水)

往復書簡の証言

ブラームスとブクステフーデの関係を探していた。このほど意外な情報にありついた。

「バッハ伝」の著者フィリップ・シュピッタとは1868年以降1894年まで往復書簡が残っている。その数およそ50通だ。話題はバッハにとどまらず、ほぼ音楽全般におよぶ。この中1873年8月1日のシュピッタ差出しの書簡に、「ブクステフーデ等の楽譜を貸してもいい」という趣旨が書かれている。その三年後1876年10月2日にブクステフーデ第一巻が送られ、同年12月22日には第二巻も続く。ブクステフーデの楽譜をブラームス側が所望し。これにシュピッタが答えたことがうかがえる。貸してもよいいという意思表示から、実際に贈られるまでの書簡が4往復しているが、その間には言及がない。空白の3年を経て現物が贈られた。

想像をたくましくするなら、これは写譜だ。「貸す」ことを承諾したが、ブラームスは「くれ」と応じたのではあるまいか。空白の三年はブラームスに手渡すために新たに写しを作ったと考える。

やっとブラームスとブクステフーデがつながった。

2019年5月 7日 (火)

登録番号

自動車のナンバー4桁は好みの番号を選べるようになって久しい。我が家もここ最近の二台はとっておきの番号を指定した。

本日の話題はその前だ。「地名〇〇〇ふ1234」のうちの「〇〇〇」の部分。ずっと昔ここは1桁だったが最近は増設されて3桁。市民のマイカーだと、5百番台か3百番台になる。4百番台も皆無とまでは言えない。キャンピングカーの中には百番台もある。問題はここを所有者が指定できない。

例えば「〇〇321せ1685」や「〇〇507ふ1833」だと異様に盛り上がる。この中の「321」や「507」はこちらが指定できないということだ。これで盛り上がるには3月生まれ5月生まれに限るということだ。バッハとブラームスでピタリとはまる他に下記の通り候補がある。

  1. 「〇〇304う1678」 ヴィヴァルディだが「う」はタクシーだったか。
  2. 「〇〇314て1681」 テレマン。
  3. 「〇〇507ち1841」 チャイコフスキー。
  4. 「〇〇319れ1873」 レーガー。
  5. 「〇〇401ひ1815」 ビスマルク。禁断の4百番台
  6. 「〇〇303し1953」 ジーコ。水戸ナンバーだと完璧。

なんとかならんものか。

さらに申せば5百番台は、バッハオルガン自由曲のBWV番号とリンクする。たとえば「〇〇565と1685」など、トッカータ好きにはたまらん感じがする。連休明け早々オバカが止まらん。

 

 

2019年5月 6日 (月)

アララト山

ブラームスの誕生日を明日に控えたこの時期だというのに、いささか浮きまくったタイトルにはわけがある。ノアの方舟のお話とセットで語られることの多い、トルコ最高峰なのだが、歴史的には複雑で微妙な領土問題もあるという。標高は5137mだ。これこそが本日の切り口である。

本日のこの記事はブログ「ブラームスの辞書」開設以来5137本目の記事だ。ブラームスの誕生日や改元の日とずれてくれたのは幸いだ。

 

 

2019年5月 5日 (日)

楽譜を見たい癖

そもそも、興味ある作品ほど、楽譜を見ながら聴きたい方だ。ブログ「ブラームスの辞書」は楽譜と向き合うことが前提になっているから当然とも言える。ブクステフーデのオルガン作品全集を聴いていたらやはり楽譜が要るということで、ショップをうろついていて発見したのが、以下の楽譜。

20180314_070055
ブクステフーデのコラール前奏曲コンプリートだ。こりゃたまらんとばかりに購入。バッハのコラール前奏曲との比較が超楽しい。

 

20180302_123237

 

 

2019年5月 4日 (土)

カプリチョーザ変奏曲

ブクステフーデのクラヴィーア作品。正確にはアリア「ラカプリチョーサ」による32の変奏曲ト長調BuxWV250だ。

結論から申すならバッハのゴールドベルク変奏曲との関連が疑われる。32の変奏曲がト長調というだけで相当怪しい。ゴールドベルク変奏曲の第30変奏「クオドリベート」そっくりだ。トータル演奏時間25分くらいのうちの2分50秒前後と15分50秒前後がとりわけ似ている。

バッハの新発見の曲と言われたらするりと入ってきかねない。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年5月 3日 (金)

ブクステフーデオルガン作品全集

いやはや楽しめる。リューベック聖マリア教会オルガニストにして当代随一の作曲家の貫禄。我が家には以下の3種類がある。どれも楽しい。

  1. Simone Stella
  2. Ulrik Spang-Hanssen
  3. Bine Bryndorf

このうち1は最初に買い求めたもの。イタリアのオルガン1台で演奏されている。2,3はドイツおよび北欧の名物オルガンの聞き比べになっている。残念ながらリューベックの聖マリエン教会のオルガンが収録されていない。

 

 

2019年5月 2日 (木)

令和算と平成算

このまま予定通り、2033年5月7日まで毎日更新が出来れば、ブログ「ブラームスの辞書」は平成に5131本、令和に5121本、合計10252本の記事を積み上げることになる。これはなかなかの芸当だ。

ブログ「ブラームスの辞書」は2005年5月30日の創設から7月31日までの63日間に、記事を110本公開した。経過日数より記事の方が47本多い。8月1日以降今日まで一日1本を守っているが、当初はそうではなかったということだ。もしもである。この日数と本数のずれが47ではなく37だったら、令和と平成に同じ5121本ずつの記事がたまったということだ。

ブログ開設は平成17年だ。陛下の生前退位など全く想定していないことを考えると。この偶然は恐ろしい。

2019年5月 1日 (水)

改元

本日記事を更新したことで、ブログ「ブラームスの辞書」は平成と令和にまたがるブログとなった。めでたい。2005年5月30日開設のブログ「ブラームスの辞書」には平成に14年間5131本の蓄積がある。

2033年5月7日をゴールと決めているから、残りの期間もちょうど14年なる。記事の数にして5121本。平成に5131本を受けて令和に入り、5121本が堆積するとゴールとは偶然もいいところだ。わずか1週間前に「ブログの大折り返し点」を祝ったばかりである。平成と令和にちょうど14年ずつまたがるブログである。

BACHのスペリングに現れるアルファベットをB=2、A=1、C=3、H=8という具合に加算すると14になる。古来行われてきた有名な数遊びだ。吉兆である。

年号が改まったところで、おバカなこだわりが変わるわけではない。

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フォト

ブラームスの辞書写真集

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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