全集さまざま
オルガニストの夢「バッハオルガン作品全集」は、花盛りと見えて店頭では目移りするくらい見かける。
注意が要るのは「全集」の定義だ。ジャンル別に整理されたBWV番号上525番から769番までと、「クラヴィーア練習曲第3巻」収録のデュエット4曲BWV802~805までをオルガン曲と仮に定義する。これら245曲が全てとはなっていないし、この他にもある。
この245曲には、バッハ本人の作品でないものや、他者の作品をバッハ自身がオルガン用に編曲したものが混入している。逆にBWV番号の枠組みが固まった後に発見されて、バッハ自身のオルガン作品と承認された曲はBWVの1000番台以降に回されている。
- バッハ自筆譜の残された作品に限る。
- 他人の作品はもちろんバッハ本人の編曲物も排除する。
- 他人の作品は排除するものの本人の編曲は認める。
- 細かいことは言わずにBWVが付いていれば認める。
「全集」にはほぼ上記の通りの解釈がある。1番の定義だとCD1枚か2枚で収まってしまうのでおいしくなさそうと見えて、この定義は採用されない。同じ全集でも10枚組から16枚組まであるのはこういうカラクりがあるからだ。店頭でブックレットを見るわけにもいかないから、何枚組かでおおよその見当をつけることになる。我が家所有で申すなら。ヴァルヒャさんは上記2で、アランさんは上記3となる。上記4の大盤振る舞いはヤコブさんである。
とはいえ、演奏家によっては「音楽の捧げもの」や「フーガの技法」を収録するようなボーナスもあるので悩ましい。
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