往復書簡の証言
ブラームスとブクステフーデの関係を探していた。このほど意外な情報にありついた。
「バッハ伝」の著者フィリップ・シュピッタとは1868年以降1894年まで往復書簡が残っている。その数およそ50通だ。話題はバッハにとどまらず、ほぼ音楽全般におよぶ。この中1873年8月1日のシュピッタ差出しの書簡に、「ブクステフーデ等の楽譜を貸してもいい」という趣旨が書かれている。その三年後1876年10月2日にブクステフーデ第一巻が送られ、同年12月22日には第二巻も続く。ブクステフーデの楽譜をブラームス側が所望し。これにシュピッタが答えたことがうかがえる。貸してもよいいという意思表示から、実際に贈られるまでの書簡が4往復しているが、その間には言及がない。空白の3年を経て現物が贈られた。
想像をたくましくするなら、これは写譜だ。「貸す」ことを承諾したが、ブラームスは「くれ」と応じたのではあるまいか。空白の三年はブラームスに手渡すために新たに写しを作ったと考える。
やっとブラームスとブクステフーデがつながった。
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