3大フーガ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタが3つある。BWVナンバーで申せば、「ト短調1001」「イ短調1003」「ハ長調1005」である。舞曲を含まぬ室内ソナタの形状で、3作とも第2曲に長大なフーガが据えられている。
これらを「3大フーガ」と認定したい。無伴奏作品として双璧をなす「無伴奏チェロ組曲」は6曲すべてが舞曲の集合体としての組曲なので、フーガが含まれないから、ヴァイオリン側のフーガは貴重だ。
ヴァイオリン1本で、対位法の極致の姿が描き出される。1番ト短調のフーガはニ短調に移調にされながらも本人編曲のオルガン版BWV539がある。2番には本人編曲か怪しいながら、チェンバロ編曲がある。BWV964である。問題は3番ハ長調だ。これはBWV968をつけたチェンバロ版があるにはあるのだが、第一曲のアダージョしか編曲されていない。ブラームスあたりが編曲していたらさぞ楽しかったことだろう。
コメント