読み手側の知識
ヤープ・シュレーダー先生のご著書「バッハ・無伴奏ヴァイオリン作品を弾く」という書物のことはすでにお話した。実に興味深い。2012年くらいに、シャコンヌの情報収集目的で購入した。ブラームス編曲のピアノ左手版のネタ仕入れの一環でもあった。当時はシャコンヌ関連の記述だけ読んで残りは斜め読み程度だった。
今バロック特集大詰めのここにきて、また読んでみると、記述内容への理解が数段深いことに気付いた。バロック特集の準備の過程で脳みそがもみほぐされたせいだ。必要に応じて引用されるバッハ以外の作曲家全てが「知っている人」になっていた。読み返してみるとバロック楽器中心の記述がなんの違和感もなく入ってくる。展開される論理がどこに向かっているのかわかるというのは、読書の効率を高めるのだとつくづく思う。
著者は最初からそういっているのに、こちらが気づけないだけと、思い知らされるばかりである。
げに尊きは予備知識。
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