壮行会
少し出所の怪しい話だから、鵜呑み厳禁で。
1854年2月27日ロベルト・シューマンは自らライン川に身を投じた。その後エンデニヒの病院に収容される。そしてクララは6月11日にフェリクスを出産する。夫が入院し7人の子供を抱えたクララは、その秋の演奏会シーズンから演奏旅行を企てる。1854年9月13日つまりクララ35歳の誕生日はその準備の最中にやってきた。ヨアヒム、レーザー夫人、アルバート・ディートリッヒ、ユリウス・オットー・グリムそしてブラームスが集まってクララの誕生日を祝った。これは2月27日にロベルトの投身を知って駆けつけたメンバーである。
仕切ったのは相変わらずデュッセルドルフ住まいのブラームスだ。クララを驚かせるために、長女マリーと次女エリーゼにピアノを指導した。彼女らの演奏がその日のパーティーの目玉になった。このときマリー13歳で指導したブラームスは21歳だ。中学生と家庭教師のお兄さんくらいな感じである。
クララはこの1ヶ月後、10月14日から長い演奏旅行に出る。子供たちの養育費、ロベルトの療養費など自らの手で稼がねばならない。この時の誕生パーティーは旅立つクララへの壮行会と位置づけて良い。幹事はブラームスである。
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