組織委員会
オリンピックやワールドカップなどの大きなイベントになると、その準備や運営は個人の力では難しくなる。しからばとばかりに組織委員会が編成される。
1880年5月3日ボンにおいてロベルト・シューマン記念碑の除幕式が行われた。式典の前日を含めた2日間の進行を司る組織委員会が発足した。この委員会は2人の人物の共同指導体制だった。2人とはヨーゼフ・ヨアヒムとヨハネス・ブラームスだった。そして主役はロベルト・シューマン未亡人のクララである。
故ロベルトの信頼厚き2人の大音楽家をいただく組織委員会によって周到に計画されたイベントだったらしい。前日2日には記念の演奏会が催されロベルトの作品がいくつも演奏されたという。
演奏曲目を調べていて驚喜した。ブラームスのヴァイオリン協奏曲があったのだ。おそらく2日の夜だったと思われる。指揮は作曲者ブラームス本人で、ヴァイオリン独奏はヨアヒム。初演と同じ組み合わせだ。組織委員会トップの2人による渾身の演奏だ。
そしてもちろん60歳のクララがこれを聴いていたのだ。
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