墓碑の完成披露
ボンの中央墓地にあるシューマンの墓には立派な墓碑がある。有名な墓碑だから写真くらいは見たことがある人も多いだろう。設立の費用4000ターラーは、チャリティー演奏会からの上がりでまかなわれた。この金額はエンデニヒへの入院費用8年分に相当する大金だ。
クララが月桂冠を捧げ持っている。この墓碑の建立は1880年5月2日だ。除幕式に際して演奏会が催された。
- シューマン 「ミニヨンのレクイエム」
- シューマン 「交響曲第3番」
- ブラームス ヴァイオリン協奏曲 独奏:ヨーゼフ・ヨアヒム
管弦楽を指揮したのが他でもないブラームスその人。弱冠二十歳のブラームスをシューマンが楽壇に紹介してから27年、ブラームスは既にその道の泰斗になっていた。記念演奏会で、シューマン本人以外で唯一取り上げられたのがブラームス作品だったこと、それを指揮したのがブラームスだったことは象徴的だ。シューマンの後継者たる地位の追認に他なるまい。
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