せめてもの思いやり
1896年5月20日クララ・シューマンがこの世を去った。
本ブログの主人公ヨハネス・ブラームスとの交流は広く音楽愛好家に知られているところである。ヨハネス・ブラームスの死は、クララ・シューマンの死から1年たたぬ1897年4月3日だった。歴史に「たられば」は禁物だけれど、もしクララ・シューマンがあと1年長く命を保っていたら、ブラームスが先に世を去ったということだ。
周知の通りクララの夫ロベルト・シューマンは1856年にこの世を去っている。さらに2人の間に生まれた8人の子供たちのうち4人が、母であるクララより先にこの世を去った。「まるで子供を送るために生きているようだ」と嘆くクララをブラームスが心から慰めたというエピソードは有名だ。この上14歳も年下のブラームスまでも見送ることにならずに済んだのは、クララにとって幸せなことだったのかもしれない。
音楽の神様のせめてもの思いやりに違いない。
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