スクエアピアノ
18世紀から19世紀にかけて製造されたピアノ。床に平行な長方形を想像して欲しい。その一辺に鍵盤が据え付けられたようなものだ。現在のグランドピアノのような曲線の美しさは望むべくもないが、大きさは多少コンパクトになっている。
ある日切れ者が、鍵盤を除いた長方形部分を、床に垂直にすることを思いついた。つまりアップライトピアノだ。空間の効率がさらに高められたことにより、スクエアピアノは市場から姿を消した。
ブラームスはハンブルク時代に、ハンブルクのメーカーのスクエアピアノに接していた。1854年には、その響きが気に入っている旨の手紙をクララに送ったこともある。時期的にはギリギリの辻褄だ。19世紀半ばにはスクエアピアノはほぼその流行を追えたと評価されているからだ。
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