パストラーレ
「牧歌的な」「田園風の」という程の意味。ベートーヴェンの第6交響曲が有名だ。ところが、バッハの時代はこういう意味ではなかった。「パストラーレ」とはキリストの生誕を祝うという意味合いが強まる。
BWV590「オルガンのためのパストラーレ」へ長調がその代表だ。田園交響曲と調が一致してしまうのが微笑ましい。フィナーレの第4曲を聴くとおやっと思う。ブランデンブルグ協奏曲第3番の終曲と似ている。バッハお得意のパロディである。
何よりも大切なことがある。クララ・シューマンの4女オイゲニーによれば、1895年10月のブラームスとクララの最後の対面の時、クララがこのパストラーレヘ長調を弾いたという。
何という選曲だ。聴いてみたかった。
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