君たちのお母さん
ブラームスとクララ・シューマンの娘たちとの会話の中で、ブラームスがクララを指して用いた言い回しだ。どんなドイツ語がこう訳されたのか確認していないが、クララの娘の一人4女オイゲーニエは、この言い方が好きだったと証言している。あるいはこの言い方をするブラームスがクララの娘たちから愛されていたと解したい。クララとの距離感を反映したブラームス独特の言葉だと感じる。あくまでもシューマン一家の外に身を置きながら、精一杯の親近感を表現している。私にはとても切なく映る。
今やクララとブラームスについてはあまりに多くの言葉が費やされている。ロマンだ悲恋だと文字数だけは、やけに費やされているが、最近その手には心が動きにくくなった。一方でこのように無骨で不器用なエピソードにからきし弱い。
私ごときの筆力では、正確に言い表せない微妙なニュアンスがこもっている。けれども心配はいらない。ブラームスの作品に充満するニュアンスと矛盾していない。
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