クララのアヴェマリア
以前に買い求めた「シューマン合唱曲全集」を聴いている。全4枚組の2枚目の冒頭に「Abendfeier in Venedig」(ベネチアの夜の祝祭)というタイトルの作品が収められている。実際に聴いてみると歌い出しは「Ave Maria」になっている。
これだけなら「ほほう、シューマンのアヴェマリアか」くらいなモンである。ドイツ語とはいえ解説書はじっくり読んでみるものだ。この作品の作曲者はクララ・シューマンだったのだ。全4枚組の2枚目の冒頭3曲だけがクララ作曲になっていた。「エマニュエル・ガイベルの詩による3つの混声合唱曲」の中の1番だ。素晴らしい。私のクララ作品へのイメージを一変させる出来映えだ。
クララはピアニストとして有名だ。作曲家ロベルト・シューマンの妻としての知名度もこれに劣っていないが、実は作曲もした。無視し得ぬ質量の作品が残されている。ピアノ作品や歌曲を聴いたことがあった。しかしこの「アヴェマリア」はその中でも出色だ。本当に可憐で上品、さらに小粋でさえある。
毎度毎度ブリリアント社には脱帽だ。
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