官位と官職
耳慣れぬ言葉だけれど、意外に身近にある。「水戸黄門」は、「水戸在住の中納言」の意味で「黄門」は中納言の唐名だ。「判官びいき」は源義経の官職名に由来する。
官位は「一位」から「初位」までに「正従」「上下」が組み合わされてかれこれ30段階ある。最高位は「正一位」。没後の追贈なら「贈正一位」となる。三位以上がいわゆる貴族で、五位以上で天皇との直接面会が出来た。天皇愛玩の動物がしばしば五位に任じられるのはそのせいだ。
官職は中央と地方に分かれる。長官(かみ)次官(すけ)判官(じょう)主典(さかん)の4段階。「大岡越前守」「吉良上野介」でおなじみだ。中央官職の最高位は「太政大臣」だ。お雛祭りでおなじみの「右大臣」「左大臣」などが、重要閣僚クラス。正一位から従二位までが相当する。正従の三位は大納言か中納言で、四位は参議。百人一首の歌人名には、名前不記載で官職名の表記がかなり見られる。「入道前太政大臣」(西園寺公経)、「後徳大寺の左大臣」(藤原実定)、「鎌倉右大臣」(源実朝)などだ。「権中納言定家」は藤原定家だ。「権」は「ごん」と読む。定員外の任命だということを示す。太政大臣や右大臣左大臣は定員外で任命されないので「権太政大臣」などはあり得ない。
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