令和百人一首01
【001】中大兄皇子
わたつみの豊旗雲に入り日さし今宵の月夜さやけかりこそ
【002】崇徳院
入り日さす豊旗雲に分きかねつ高間の山の峰のもみじ葉
【コメント】定家撰の小倉百人一首は、天智天皇が冒頭に置かれていた。これに習って即位前の天智天皇の歌を冒頭に配置する。小倉収載の歌は、最近の研究では天智御製でないことが確実視されているが、こちらは正真正銘の自作ながら、即位前の詠であるのが気がかり。これに続く崇徳院は、平安時代の天皇。保元の乱に敗れて佐渡に配流され、日本三大怨霊にも数えられるが、かなりの歌い手で、もちろん小倉にも採用されている。「入り日」「豊旗雲」を共有する天皇どうしの壮麗な本歌取りである。このように大好きな本歌取りをクリアに収載するために、今後も時代の辻褄を少々犠牲にすることがある。
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