令和百人一首06
【011】山部赤人
春の野に菫摘みにと来し我ぞ野を懐かしみ一夜寝にける
【012】大伴旅人
沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも
【コメント】万葉の代表歌人のペア。「人人」歌合せとでも命名する。赤人の作には見せ場が多い。原因の「み」、係助詞「ぞ」の「令和百人一首」初出となる。また【010】人麻呂とは「山柿の門」裏合わせとなる。旅人は家持の父。大宰府から遠い奈良を思う歌。「沫雪」は「あわゆき」と読む。強調の「し」で奈良の都にスフォルツァンドを付与してはいるものの、「ほどろほどろに」の語感か、どこか悠然としていて望郷の切迫感が薄まる印象。
採用歌とは関係がないけれど、彼が大宰府在任中730年1月13日に自邸で、梅の花を見る宴会を開いた。32名が招かれて詠んだ歌の序文にある「令月風和」が「令和」の語源とされている。ここははずせぬ歌人である。
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