ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 「まし」の魔法使い | トップページ | 上より下 »

2020年4月26日 (日)

呪文としての「ぞ」

「脳内補正語」第3弾。

今回の「令和百人一首」で無念の落選筆頭格が紀友則。小倉では「しづ心無く」の人だ。もし収載していたら以下のお歌にするはずだった。

 君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る

「梅の花の価値を知っているあなたにこそ見せたい」と言う程度の意味。源実朝はこれを本歌取りして

 君ならで誰にか見せむ我が屋戸の軒端に匂ふ梅の初花

と詠んだ。庭の梅を折って側近の塩屋朝業に贈った際に添えた。贈られた朝業は返す。

 うれしさも匂ひも袖に余りけり我が為折れる梅の初花

受け手の喜びはいかばかりか。友則の元歌を知っていると嬉しさも倍増だ。「あなたには贈る価値がある」と認められたのだから。この人実朝の暗殺後、出家して信生と名乗った。勅撰入集10首の歌人でもある。

前置きが長くなった。友則の元歌の焦点に「ぞ」がある。「知る人ぞ知る」だ。現代でも旅番組の芸能人がとっておきのカフェを紹介する際になどに、「知る人ぞ知る」と使い回される。文法的には「係助詞」で、連体形での結び要求する。意味は「強調」だ。語調の整えの効果も大きい。字足らず回避の切り札とも見える。迂闊な字足らずを放置するくらいなら「ぞ」を挟めよって感じ。逆に「ぞ」を挟んだ結果としての字余りならありかも。

さまざま状況で趣を添えてやまない「打ち出の小づち」だ。

ブラームスで言うなら「rf」「リンフォルツァンド」だ。「スフォルツァンド」と違ってダイナミクスの増強を意味しないまま、大切な音を指し示す機能がある。「ブラームスの辞書」では「瞬間型マルカート」と認定している。

 

 

« 「まし」の魔法使い | トップページ | 上より下 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「まし」の魔法使い | トップページ | 上より下 »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ