相聞日照り
女子の比率、季節の構成比で「小倉百人一首」との対比を試みた。もっとある。「恋」だ。「小倉百人一首」側の恋は「相聞」とも呼ばれて43を数える。不自然に高い恋歌比率が、小中学生への普及の障壁の一つになっていると感じる。「令和百人一首」ではわずか4首だ。
選定作業の中で、出来るだけ多くの歌に触れてきたが、恋の歌はいつしか除外されていった。当時の歌詠みはあくまでも長き伝統の中で確立された形にこだわることが求められた。恋には流れや手続き、あるいは男女それぞれのとるべき姿勢があり、その枠内で詠まれた。春夏秋冬も同様だが、季節についての詠嘆は現代に通じるものも多いのに比べ恋愛は、なかなか共感に至りずらい。
結果、わずか4首、90%減となった。微塵も後悔していない。
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