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2020年5月14日 (木)

ひらがな効果

「脳内補正語」第16弾。まずは以下の「令和百人一首」収載の11首。

  1. 寝る人を起こすとも無き埋火を見つつはかなく過ごす夜なよな
  2. 吹く風を勿来の関と思へども道も狭に散る山桜かな
  3. 有明の月の明石の浦風に波ばかりこそ寄ると見えしか
  4. 夕去れば野辺の秋風身に沁みて鶉鳴くなり深草の里
  5. 契りおく花と並びの岡野辺にあはれ幾代の春を過ぐさむ
  6. 今はよも枝に籠もるる花もあらじ木の芽春雨時を知る頃
  7. 立ち昇る煙ならずば炭竃のそこともいさや峰の白雪
  8. 君がため花の錦を敷島や大和島根も靡く霞に
  9. 見る書は残り多くも小夜更けて我が世更け行く窓の灯
  10. 七十に近き春にぞ相の浦九十九の島に生きの松原
  11. 名にし負はば春に向かふが丘ならば世に類なき花の影かな

「掛詞」を巧みに用いた作品だ。

  1. 「起こす」「熾す」
  2. 「無し」「勿来」
  3. 「明るい」「明石」、「夜」「寄る」
  4. 「鶉」「うつ」
  5. 「並びの岡」「双ケ岡」
  6. 「張る」「春」
  7. 「見ね」「峰」
  8. 「敷く」「敷島」
  9. 「世」「夜」
  10. 「行き」「生き」「生きの松原」
  11. 「向かふが岡」「向ヶ岡」

意味の重層化とでも申すべきか。三十一文字という制約の内側で表現の幅を内側から補強する。ヴァイオリン1本で複数の旋律を走らせるバッハにも似ている。

そしてだ。それを可能にしたのが「ひらがな」で漢字から派生したこと周知の通りだ。漢文が一般的だった中、平安時代になって国風文化が云々と取り沙汰されるが、最も大きな現象と感じるのが「ひらがな」の普及だ。ひらがな漢字混じりの表記が一般化した結果、「同音異義語」が強く意識されることになる。上記以外にもたくさんある。「松&待つ」「秋&飽き」など。片側に地名が来ることでさらに複雑化する。二重の意味を含ませ、どちらともとれるという解釈の幅を、受け手にゆだねるというところに余情が生まれる。

どちらとも取れる曖昧さに積極的な意味があるのはブラームスっぽい。

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