世も末
「脳内補正語」第14弾。仏教の教えでいう「末法思想」とまで行かなくても、この頃世の中何かと気づまりである。本日の話題は「末」だ。何かの端っこ、先端を意味する。枝の端くらいならシンプルだが「令和百人一首」の範囲に限っても以下ような繊細な用例がある。
- 焼き捨てし煙の末の立ち帰り春萌え出づる野辺の早蕨
- 頼むかな我が源の石清水流れの末を神に任せて
- 冴え昇る月にかかるる浮雲の末吹き払え四方の秋風
そのつもりで眺めると「梢」は「木の末」かとも思える。小倉さんちにも「末の松山波越さじとは」という名歌がある。端の他に時間的に「after」という意味もあり、おのおのの文脈の中で繊細に意味を変える。単純な先端の意味はかえって少ないかもしれない。
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