御製12首
「御製」とは大好きな言葉だ。「天皇のお歌」のことである。「令和百人一首」には以下の12首を採用した。
- わたつみの豊旗雲に入り日さし今宵の月夜あきらけくこそ
- 入り日さす豊旗雲に分きかねつ高間の山の峰のもみぢ葉
- 焼き捨てし煙の末の立ち帰り春萌へ出ずる野辺の早蕨
- 我こそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け
- 隠岐の海の荒き波風静かにて都の南宮造りせむ
- いかにして契り置きけむ白菊を都忘れを名付くるも憂し
- 袖触れば色まで移れ紅の初花染に咲ける梅が枝
- 花の上の暮行く空に響ききて声に色ある入相の鐘
- 今はよも枝に籠もれる花もあらじ木の芽春雨時を知る頃
- 小夜更くる窓の灯つくづくと夜も静けし我も静けし
- 花に花靡き重ねて八重桜下枝を分きて匂ふ頃かな
- 四方の海皆同胞と思ふ夜になど波風の立ち騒ぐらむ
以上だ。ここ採られた歌の巧拙優劣を論ずるのは棚に上げて、歴代天皇最高の詠み手は誰だろう。
- 天智
- 崇徳
- 亀山
- 後鳥羽
- 後水尾
- 順徳
- 後嵯峨
- 伏見
- 後醍醐
- 光厳
- 後花園
- 明治
上記はいわば、ノミネート。私は圧倒的に後鳥羽院だと思う。歌も大好きだし、和歌史上に燦然と輝く「新古今和歌集」の下命者兼撰者。歴史観、審美眼、リーダーシップどれをとっても第一人者。同時に日本史一般においても承久の変の主役だ。崇徳、伏見、後嵯峨、光厳あたりが二番手グループという感じ。
お叱り覚悟でござる。
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