「の」の連鎖
「脳内補正語」第9弾。「令和百人一首」70番の以下のお歌。
写し見よ山は嵐も柔らかき楢の若葉の言の葉の道
肖柏のお歌。下の句全14文字に「の」が4回現れる。思うにこれ「の」だけに許された特権。世の中ひらがな1文字の助詞は多いけれど、このような連鎖が許されるのは「の」だけ。格助詞「の」は主格であったり所有を表したりもするけれど、他の助詞がこうも連続すると耳障りなことが多い。「の」は何かと許されているばかりか、心地よいリズムさえ造り出す。名高いのは下記。
風通ふ寝覚めの袖の花の香に薫る枕の春の夜の夢
「の」の6連射である。
格助詞「の」に加えて、名詞「野」も組み合わせることで「の」の密度はさらに上げることも出来る。
世の中、女子と助詞はおそるべしである。
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