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2020年5月15日 (金)

立ちかえり

「脳内補正語」第17弾。まさか「立って帰る」ことだとは思うまい。「令和百人一首」には以下の通り用例がある。

  1. 焼き捨てし煙の末の立ちかえり春萌え出づる野辺の早蕨
  2. 立かえり人待ち顔に響くな遠山寺の入相の鐘
  3. 更に今和歌の浦波収まりて玉拾ふ世に立ちぞかえらむ

動詞「立つ」と「かえる」の複合なのだが、「立つ」の側に英語でいう「stand」の意味なんぞ無いも同然だ。「立つ」ならば」他にもたくさん出て来るけれど、その主体は「波」「夏」「真木」「民」「霞」「春」など様々だ。複合相手の動詞と共同して微妙なニュアンスを添える「微調整」に徹していると思う。「stand」にとらわれて理解をいじくりまわすとロクなことはない。上記3では「立つ」と「かえる」の間に「ぞ」まで挟んで強調していはいるが「stand」の意味なんぞ一顧だにされていない。「立ちかえる」で味わうべきだ。

「立ちかえる」に限らずこうした複合動詞は、元の動詞の意味を複合した形に惑わされてはいけない。

  1. 立ち戻る
  2. 行き暮るる
  3. 冴え昇る
  4. 咲け添ふ
  5. 立ち上る
  6. 暮れ行く
  7. 響き来る
  8. 契り置く
  9. 立ち騒ぐ
  10. 分きかぬる
  11. 行き過ぐる
  12. 降りしく
  13. 焼き捨つ
  14. 吹き越ゆ
  15. 立ち去る

形として二つの動詞の複合には違いあるまいが、意味は単なる足し算であるまい。長い慣用の末に個別の意味を獲得しているように見える。

 

 

 

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