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2020年6月25日 (木)

拾葉百首覚書

「令和百人一首」の選に漏れた歌人を100名集めて、百人一首をもう1セット作った。今回は日本史和歌史への配慮は一切なし。概ね時代順だった「令和百人一首」とは異なる趣向を取り入れた。勅撰和歌集に習って「春夏秋冬」に「雑」という部立て、春と秋をそれぞれ上中下に分けたので全部で9部になる。このうち季節四部では最初から順に読むことで、一年間の季節の移ろいをトレース出来るように歌を配置した。「恋」は独立の部立てとせずに「雑」に含んだ。

予想外の大収穫があった。

なんたって面白いのだ。「令和百人一首」側に和歌界のスター重鎮をもれなく収載してしまっていたにも関わらず、こちらは本当に面白い。季節順の配置というパズル感も寄与している。和歌史日本史への配慮という制約を解いただけで、純粋に歌の好みで選べたことが最大の理由だろう。出典別ではもう圧倒的に新古今。玉葉と風雅がこれに続く。万葉集はただ1首にとどまるという極端な現象が起きた。

実朝はもちろん後鳥羽院も良経もいないけれど、歌集として本当に楽しい。

 

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