恋するガリア
1966年のフランス映画のタイトル。作中バッハのチェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056の第2楽章が用いられる。映画音楽に凝っていた父のレコードで聴いたのが中学生のころだった。今、しみじみと思い返すと生まれて最初のバッハ体験なのだと思う。えらい曲から入ったものだ。
つくづくロマン的だと思う。忘れられていたバッハの復興そのものがロマン派真っただ中の19世紀後半だから、ロマン的解釈のバッハなど珍しくもなく、ましてや当時まだ古楽ブームの到来前だから、そう感じるのも無理からぬ話ではある。
今でも複数のCDが手元にある。演奏年、ソリスト、独奏楽器の順に列挙する。
- 1958年 グレン・グールド/pf
- 1985年 サルヴァトーレ・アッカルド/Vn
- 1989年 アンドラーシュ・シフ/pf
- 1995年 ヴィクトリア・ムローヴァ/Vn
- 1999年 ファビオ・ビオンディ/Vn
- 2002年 シュテファニー・ヘーゲレ/Ob
- 2010年 ラモン・オルテガ・クエーロ/Ob
- 2013年 アンドリウス・プスクニギス/Ob
- 2013年 ジュリアーノ・カルミニョーラ/Vn
- 2016年 ジャン・ロンドー/Cem
BWV1056は、バッハ本人による何らかの楽器のための協奏曲を、自分でチェンバロ独奏のコンチェルトに編曲した作品だ。オリジナルはヴァイオリン協奏曲だったとする説が有力だ。
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