6がお好き
バッハの作品全体を統御するBWVナンバーは、作曲や出版の順ではなく、ジャンル毎に配列されている。カンタータから順序列挙されていて、人の声が入っている作品が優先されている。本日の話題は器楽曲つまり人の声の含まれぬ作品に限定する。BWV番号としては525番のオルガン作品以降を話題にする。
まずは以下のリストを眺めてほしい。
- オルガンのためのトリオソナタ 525~530
- イギリス組曲 806~811
- フランス組曲 812~817
- パルティータ 825~830
- 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ 1001~1006
- 無伴奏チェロ組曲 1007~1012
- ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 1014~1019
- ブランデンブルク協奏曲 1046~1051
末尾に添えたBWVナンバーをよくよく見ると、これら全て6曲一組になっている。6の倍数にまで広げれば平均律クラヴィーア曲集が加わることになる。フルートとチェンバロのためのソナタとフルートと通奏低音のためのソナタの合計は6になる。
現在伝えられているバッハ作品は作曲全体のすべててはないから、断言は難しいが、バッハが意図して曲集としてまとめる場合「6」にこだわっていた可能性があるとおもいきや、これはバロック時代の作品出版の慣例に従っただけらしい。
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