子宝の実情
いつも子だくさんと言われるバッハの子供たちを出生順に一覧化しておく。没年マイナス生年の数値を末尾に置く。ついでに女の子を赤文字にしておいた。
<母マリア・バルバラ(1684-1720)>
- 01 Catharina Dorothea (1708-1774) 66
- 02 Wilhelm Friedeman (1710-1784) 74
- 03 Johan Christoph (1713-1713) 0
- 04 Maria Sophia(1713-1713) 0
- 05 Carl Philipp Emanuel (1714-1788) 74
- 06 Johan Gottfried Bernhard (1715-1739) 24
- 07 Leopold Augustus (1718-1719) 1
<母アンナ・マグダレーナ(1701-1760)>
- 08 Christina Sophia Henrietta (1723-1726) 3
- 09 Gottfried Heinrich (1724-1763) 39
- 10 Christian Gottlieb (1725-1728) 3
- 11 Elisabeth Juliana Friederica (1726-1781) 55
- 12 Ernestus Andreas (1727-1727) 0
- 13 Regina Johanna (1728-1733) 5
- 14 Christina Benedicta (1729-1730) 1
- 15 Christina Dorothea (1731-1732) 1
- 16 Johan Christoph Friedrich (1732-1795) 63
- 17 Johan August Abraham (1733-1733) 0
- 18 Johan Christian (1735-1782) 47
- 19 Johanna Carolina (1737-1781) 44
- 20 Regina Susanna (1742-1809) 67
20人のうち父親であるバッハ本人より後まで生きたのは9人。うち女の子が4人だから、必ずしも女子が長生きとは言えない。男の子5人のうち、なんと4人が音楽史に名を残すという高確率だ。早世した男の子が長生きしていたら、この数は増えているはずだ。唯一漏れたNo09ゴットフリート・ハインリッヒでさえ音楽的才能があったと伝えられており、「アンナ・マグダレーナバッハの音楽帖」No16aが、彼の作品だとされている。
驚嘆すべきは母アンナ・マグダレーナだ。最初の子を1723年に出産した後、1729年まで毎年出産している。1730年一年おいて、1731年から3年連続となり、最後の出産は41歳だ。母として妻として家庭を切り盛りした上に、夫バッハを音楽的にも支えながらである。「アンナ・マグダレーナバッハの音楽帖」収載のBWV841は彼女の作品である公算が高いという。
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