旋律に10度の跳躍を含むことは珍しいと位置付けて、ブラームスのクラリネットソナタ第一番を特徴づけた。その考えは今も変わらぬが、バッハのヴァイオリンとチェンバロのソナタの中にその実例がある。
ハ短調BWV1017の第一楽章だ。

上記がその場所。冒頭のいきなりの第一小節目。赤丸を付与した部分が10度の跳躍になっている。CからEsというハ短調の肝が10度に割られている。主音Cのオクターブ下降から行き着く暇なく第三音Esへのジャンプであり、非常に印象的。3度上にではなく10度上のEsであることがバッハの目的であることは明白だ。
ハ短調ソナタ全体に充満する緊張感の源泉とみている。
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