オブリガートヴァイオリン
ニコル・マット指揮ヨーロッパ室内合唱団の、「4声のためのコラール」DISC2に収められた「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」は、同曲集の白眉だ。バッハのBWV140の終末合唱として名高いがこちらも味わい深い。原曲はクラヴィーアソロであるところ、合唱を補ったヴァージョンなのだが、2コーラス目に独奏ヴァイオリンがさしはさまれる。
伴奏と申すにはあまりに可憐だ。事実上ソプラノとユニゾンで主旋律をトレースする。
同曲集6枚組数百曲の中でヴァイオリンがこのように加わるのはこの曲だけだ。編曲のセンスと言われてしまえばそれまでだが、2コーラス目にのみ加わるという巧妙さまで含めて職人芸だ。
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