母の野望
昨日の記事「庭の主」の続きだ。この度の物干しデッキの設置は、「母が濡れた洗濯物を二階に持ってあがらなくてすむようにするため」の措置だった。なにせ早起きの母は家族が寝ている間に洗濯機を回し、一人で干していた。濡れた洗濯物を持って二階に二回は持って上がる。最近は喘ぎながら登っている。ケガでもしたら取り返しつかない。この度の物干しデッキの新設によりそれが解消すると家族一同喜んでいた。「これは物干し台の移設」であると一同確信していたが、一人母だけは違っていた。新デッキ完成後も二階の物干しが相変わらず使われている。つまり母だけは「物干し台の増設」だと思っていたということだ。
一日に洗濯機を何回まわすかの制約は、物干しスペースだったのだ。干す場所がなくなることで洗濯をやめていたのだ。「おてんと様はタダだから」が母の口癖だ。
キッチン、風呂場。洗面所、トイレなど水回りは主婦の聖域だと思うが、物干しもこれに加えたい。父の坪庭の跡地で、85歳の母が躍動している。母が元気な間でなければこの改造に意味はなかった。間に合ってよかったと父も喜んでいるだろう。
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